【スロットルバルブの構造・配置】特許総合力トップ3はホンダ、ケーヒン、ヤマハ発動機

　弊社はこのほど、2020年4月16日までに日本の特許庁で公開された「スロットルバルブの構造・配置関連技術」について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。

　スロットルバルブは、車やバイクのアクセルペダルの操作に応じて開閉し、エンジンに吸入される空気量を調整することで、エンジンの出力を制御する働きを持ちます。スロットルバルブに関する技術は、部品点数の削減やコンパクト化などに向けた「構造・配置」に関するものと、出力の最適化を図る「制御」に関するものに分けることができます。

　今回の調査では、主に「構造・配置」に関する技術に着目し、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースに、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。

　集計の結果、「総合力ランキング（※1）」では、1位 本田技研工業、2位 ケーヒン、3位 ヤマハ発動機となりました（表1、図1）。

　　　　【スロットルバルブの構造・配置関連技術　特許総合力トップ5】（表1）

図1：スロットルバルブの構造・配置関連技術　競合状況

　1位 本田技研工業の注目度の高い特許には、「エンジンのシリンダー内部で混合気が縦方向の渦を巻くタンブル流を、簡単な構成で強化できる内燃機関の吸気構造」に関する技術や「電子スロットル制御を採用したスクータにおける機能部品の設計自由度を向上させる技術」などが挙げられます。

　2位 ケーヒンは「複数のバイパス制御弁の構造を簡素化できる多気筒エンジン用吸気装置」に関する技術や「簡素な構成でありながらも、センサユニット内の圧力センサに水や異物等が進入をすることを確実に防止できるスロットルバルブ」などが注目度の高い特許として挙げられます。

　3位 ヤマハ発動機の注目度の高い特許には、「スロットルバルブの位置に制約がある場合でも、エンジンの高出力化と低負荷運転時の燃焼安定性の向上を両立する技術」や「電子スロットル制御装置を備えた多気筒エンジンにおいて、エンジン全体が大型化することなく各スロットル弁の駆動モータを配置する技術」などが挙げられます。

　また4位 デンソーは「吸入空気の温度が低い場合でも、弁体への水滴の発生を抑え、ターボチャージャーのコンプレッサが水滴により腐食することを抑制できるバルブユニットの構成」に関する技術などが、5位 川崎重工業は「2つのバルブが併設された吸気装置において、サブバルブとメインバルブ間の連動機構が簡単で、運転環境に応じた柔軟で好ましいファーストアイドル（急速暖機）制御を可能にする技術」などが注目度の高い特許として挙げられます。

　そのほか、6位以下にはスズキ、愛三工業、ミクニなどがランクインしています。

　本分析の詳細については、定型レポート「スロットルバルブの構造・配置関連技術」にてご覧いただけます。

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