弊社はこのほど、大学の特許を対象として、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースに特許の質と量の両面から総合力を評価した「大学 特許総合力ランキング」を集計致しました。2021年9月9日までに日本の特許庁で公開された特許について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。
集計の結果、1位 東京大学、2位 東北大学、3位 大阪大学となりました(表1、図1)。
【大学 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
東京大学 | 12,373.7 | 3,160 | 97.6 | |
東北大学 | 9,736.8 | 2,681 | 91.9 | |
大阪大学 | 8,874.3 | 2,347 | 93.1 | |
京都大学 | 7,159.2 | 2,083 | 116.8 | |
東海国立大学機構※ | 5,588.0 | 1,820 | 85.6 |
東海国立大学機構※...名古屋大学・岐阜大学
図1:大学 競合状況
1位 東京大学は、「遺伝子工学」や「生物学的材料の調査」などの分野において強みがみられます。東京大学の注目度の高い特許には、「遺伝子多型を用いた薬剤の副作用発現予測方法」や「がんの予後判定および診断方法」などが挙げられます。
2位 東北大学は「結晶」や「合金」などの分野において強みがみられます。東北大学の注目度の高い特許には、「半導体バルク結晶の作製方法」や「非晶質軟磁性合金及びそれらを用いた薄帯、粉末、部材、部品」に関する技術などが挙げられます。
3位 大阪大学は「細胞培養」や「遺伝子工学」などの分野において強みがみられます。大阪大学の注目度の高い特許には、「コラーゲンの濃度が生体組織に近い、細胞の三次元組織体を構築する技術」や「DNAが編集された真核細胞を製造する方法、および当該方法に用いられるキット」に関する技術などが挙げられます。
そのほか、4位 京都大学は「生体高分子分画用チップ、それを用いた生体高分子の分画方法、および生体高分子の分析方法」などが、5位 東海国立大学機構は「新規なパターン形成体及びパターン形成方法」などが注目度の高い特許として挙げられます。
6位以下には東京工業大学や九州大学、北海道大学などがランクインしています。
本分析の詳細については、定型レポートの「大学 特許総合力ランキング」にてご覧いただけます。
(※1)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する、「パテントスコア」を企業ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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