弊社はこのほど、2013年1月から欧米にて本格運用が始まった「共同特許分類(CPC)」を用い、米国における燃料電池の電解質分野について、参入企業の競争力に関する調査をまとめました。
1980年から2012年12月末までに米国特許商標庁で公開された燃料電池関連の電解質分野として、CPC「Y02E60/521(固体高分子形燃料電池(PEMFC))」~「Y02E60/526(溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC))」が付与された特許7,556件を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」による評価を実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング」を集計しました(※)。
その結果、1位 SAMSUNG SDI、2位 東芝、3位 パナソニックという結果となりました。また2006年から現在までの推移をみると、SAMSUNG SDIと東芝の2社が総合力を大きく伸ばしています。
【燃料電池の電解質関連技術 米国特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力(pt) (権利者スコア) |
有効特許件数 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
現 在 | 2006年 | 現 在 | 2006年 | 現 在 | 2006年 | ||
SAMSUNG SDI CO LTD | 1077.0 | 38.4 | 334 | 127 | |||
東芝 | 953.1 | 130.7 | 211 | 83 | |||
パナソニック | 885.6 | 430.4 | 190 | 102 | |||
PPG INDUSTRIES OHIO INC | 834.0 | 590.4 | 43 | 41 | |||
3M INNOVATIVE PROPERTIES CO | 789.2 | 218.2 | 82 | 49 | |||
![米国 燃料電池の電解質分野 競合状況](/img/fig1-cpc.png)
図1:米国 燃料電池の電解質分野 競合状況
1位SAMSUNG SDIは、「末端スルホン酸基を持つポリマ、そのポリマを用いるポリマ電解質及び燃料電池」など、「直接メタノール形燃料電池(DMFC)」分野で注目度の高い特許を有しています。
2位東芝は、「燃料電池および燃料電池システム」など、SAMSUNG SDIと同様に「直接メタノール形燃料電池(DMFC)」分野で注目度の高い特許を多く有しています。
3位パナソニックは、「固体高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体」など、「固体高分子形燃料電池(PEMFC)」分野で注目度の高い特許が見られます。
本調査で出願件数が多い上位10社について、電解質の種類別出願状況を図2に示します。SAMSUNG SDI、東芝、パナソニックといった総合家電メーカーは、「直接メタノール形燃料電池(DMFC)」や「固体高分子形燃料電池(PEMFC)」に関する出願が大半を占めていますが、2010年以降は、SAMSUNG SDIのみ「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」分野への出願を増やしています。一方、本田技研工業、トヨタ自動車といった自動車メーカーでは、「固体高分子形燃料電池(PEMFC)」と「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」に関する出願が多いのが特徴的です。
![上位企業 電解質分野別 出願状況](/img/fig2-cpc.png)
図2:上位企業 電解質分野別 出願状況
本分析の詳細については、定型レポート「米国 燃料電池の電解質関連技術」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
1980年から2012年12月末までに公開された特許が対象。
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定型レポート 『米国 燃料電池の電解質関連技術』
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
【収録データ】
・特許総合力ランキング_上位30社リスト
・有効特許件数ランキング_上位30社リスト
・開発規模(出願件数)ランキング_上位30社リスト
・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ)
・母集団の公報リスト
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