弊社はこのほど、日本に出願されたフォークリフト関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめました。
フォークリフトは物流業務には欠かせない産業車両の一つです。日本では第二次世界大戦後から普及し始めましたが、現在では物流倉庫内での効率的な作動技術、省エネルギー技術、バッテリーの燃料電池化等、ハイテク化が進んでいます。また、近年では事業統合も相次いでおり、ニチユと三菱重工業が統合したニチユ三菱フォークリフト、TCMと日産フォークリフトが統合したユニキャリアと、業界再編が相次いでいます。本調査ではフォークリフト関連技術の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
その結果、「総合力ランキング(※1)」では、1位 ニチユ三菱フォークリフト、2位 豊田自動織機、3位 コマツとなりました(表1、図1)。
【フォークリフト関連技術 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
ニチユ三菱 フォークリフト | 1747.6 | 509 | 86.5 | |
豊田自動織機 | 1615.5 | 444 | 82.6 | |
コマツ | 639.4 | 109 | 80.0 | |
ユニキャリア | 493.7 | 235 | 69.7 | |
住友ナコマテリアル ハンドリング | 215.4 | 57 | 77.2 | |
![フォークリフト関連技術](/img/forklift-01.png)
図1:フォークリフト関連技術 競合状況
総合力1位のニチユ三菱フォークリフトはステアリング関連技術やトラクション制御技術が、2位の豊田自動織機はバッテリー式フォークリフトの省エネ技術や乗降性、作業性に関する技術が注目度の高い特許として挙げられ、この2社による2強状態となっています。
![フォークリフト関連技術](/img/forklift-02.png)
図2:総合力上位5社 出願件数推移
図2は本分野における総合力上位5社の出願件数推移です。90年代後半に豊田自動織機が、2000年代前半にニチユ三菱フォークリフトが大量の出願をした以降は全体として大幅に出願件数が減少しましたが、2011年に豊田自動織機とユニキャリアの出願件数が大きく増加し、またニチユ三菱フォークリフトも増加傾向にあります。
![フォークリフト関連技術](/img/forklift-03.png)
図3:総合力上位5社 海外出願状況
次に総合力上位5社の外国出願状況を、パテントファミリー情報の集計をすることにより調査しました(図3、パテントファミリーとしての日本とPCT出願は除く)。かつてはアメリカ、欧州が中心でしたが、近年ではユニキャリアを除き中国の割合が増加しています。特にコマツ、住友ナコマテリアルハンドリングの2社が顕著であり、なかでも住友ナコマテリアルハンドリングは2010年以降は中国のみという状況になっています。フォークリフト業界では新興国市場の拡大を狙うという話が聞かれますが、特許出願に関しては中国以外については未だ少ないことが分かります。
本分析の詳細については、定型レポートの「フォークリフト関連技術」に掲載しています。
(※1):総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する、「パテントスコア」を企業や研究機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
(※2):ニチユ三菱フォークリフトは旧ニチユ及び三菱重工業のフォークリフト関連特許を、ユニキャリアは旧TCM及び旧日産フォークリフトの特許も含みます。
ランキングデータの販売
定型レポート 『フォークリフト関連技術』
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
【収録データ】
・特許総合力ランキング_上位30社リスト
・有効特許件数ランキング_上位30社リスト
・開発規模(出願件数)ランキング_上位30社リスト
・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ)
・母集団の公報リスト
サンプルデータはこちら
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
【価格】
50,000円(税抜)