弊社はこのほど、医薬業界における他社牽制力ランキングをまとめました。これは、特許庁の審査官が拒絶査定を下した特許の拒絶理由通知に引用された公報について調査したもので、企業ごとに拒絶した他社特許の件数を集計しました。
拒絶理由通知は、ある特許が出願された際に、既に出願されている特許が存在するために新規性や進歩性などの特許要件が認められない場合に、審査官から出願人に対して通知されるものです。拒絶理由通知に引用されるということは、「審査官から先行技術として認知されている」ことを意味しています。
今回のランキングでは、このうち拒絶査定が下された公報に限定して集計しており、各企業の特許が業界に与える影響度を知ることができます。
1位 武田薬品工業の最も引用された特許は、「口腔内崩壊型錠剤」に関する技術で、同特許が引用例となり、エーザイや森下仁丹などの特許13件が拒絶査定となりました。
また2位 一丸ファルコスは、「線維芽細胞増殖促進剤」に関する特許が最も引用され、資生堂や花王、コーセーなど23件の特許が拒絶査定となりました。
3位 田辺三菱製薬は、「抗酸化剤」に関する技術が多く引用され、同特許が引用例となり、日清オイリオグループやカネボウ化粧品などの特許が拒絶査定となりました。
【 医薬業界 他社牽制力ランキング】
※他社牽制力:各ランキングに記載されている企業の特許が引用例となって、拒絶査定を受けた他社の特許件数
(共同出願公報については、共同出願の各企業それぞれにて集計を行っていますので、企業間の公報の重複があります)
※出願件数:2010年12月末までに公開された各企業の総出願件数(電子化以降)
※被引用件数:拒絶査定となった他社特許の拒絶理由通知に引用された、各企業の特許件数
※被引用率:被引用件数/出願件数
<表の見方>武田薬品工業の出願件数は3153件。このうち審査官から先行技術として認知され、他社特許の拒絶に引用されたのが714件。1件の特許で複数の他社特許の拒絶理由通知に引用されたケースもあり、合計1085件の他社特許が拒絶査定となった。
※企業については、単体での集計を行っています。
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医薬業界において、他社特許の拒絶に引用された「被引用件数」が多い順に公報を集計。
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※ 調査対象公報 集計期間
公開特許公報 :1993年1月?2010年12月
特許公告公報 :1994年1月?1996年3月
特許公報 :1996年5月?2010年12月
再公表特許公報 :1996年1月?2010年12月
公表特許公報 :1996年1月?2010年12月
整理標準化データ:?2010年12月15日
(拒絶査定になった他社特許件数は電子化以前の公報を含む)
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