弊社はこのほど、日本に出願された「耕運機、整地機関連技術」について、参入企業に関する調査結果をまとめました。
1993年から2012年12月末までに日本特許庁で公開された関連特許4,256件を対象に個別特許スコアリング指標「パテントスコア」による評価を2012年12月末時点で実施し、競合状況を特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング」(※)を集計しました。
その結果、「総合力ランキング」では、1位 小橋工業、2位 クボタ、3位 ヤンマーとなりました(下表、図1)。
【耕運・整地機関連技術 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 | 有効特許 件数 |
個別力 |
---|---|---|---|---|
小橋工業 | 996.9 | 207 | 77.0 | |
クボタ | 573.0 | 135 | 77.4 | |
ヤンマー | 546.8 | 139 | 74.5 | |
松山 | 477.0 | 144 | 82.3 | |
本田技研工業 | 459.7 | 87 | 70.1 | |
【図1】耕運・整地機関連技術 競合状況
これらの企業がどのような領域に出願しているかを特許分類(FI)を用いて見てみると(図2)、小橋工業と松山は「畔成形(A01B 35/00 B、C)」、クボタ、ヤンマー、本田技研工業は「伝動機構(A01B 33/08 A)」が中心であることが分かります。クボタ、ヤンマーは加えて「器具のカバー(A01B 33/12 B)」にも多く出願をしています。
【図2】企業別 注力技術分野
1位の小橋工業は前述のように「畔成形(畔塗り)」に関する出願が中心ですが、注目度が非常に高い特許にクボタとの共同出願である「耕運爪」に関する特許があります。この特許の請求項は図3のように独立請求項が3つあり、かつこれらが非常によく似た内容になっています。請求項1と2の違いを見てみると(図4)、刃縁長さに関する表現のわずかな違いしかないことが分かります。
本分析の詳細については、定型レポート「耕運・整地機関連技術」にてご覧いただけます。
農業機械シリーズとして、「耕運・整地機」に加え、「移植・田植機」、「収穫・刈取機」、「脱穀機」に関する調査結果も発表しております。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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