弊社はこのほど、有機ELディスプレイの関連技術について、参入企業の競争力に関する調査を行いました。1993年から2011年9月末までに日本の特許庁で公開された関連特許26,908件を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」による評価を実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング(※1)」を集計しました。
集計の結果、1位 セイコーエプソン、2位 半導体エネルギー研究所、3位 サムスンとなりました。
【有機ELディスプレイ 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
セイコーエプソン | 7,381 | 3,368 | 86.3 pt | |
半導体エネルギー研究所 | 7,372 | 1,798 | 87.1 pt | |
サムスン | 4,915 | 1,490 | 82.6 pt | |
ソニー | 4,175 | 1,816 | 89.0 pt | |
パナソニック | 2,492 | 980 | 81.5 pt | |
図1:有機ELディスプレイ 競合状況
1位セイコーエプソンは、出願件数が他社に比べて圧倒的に多いことが特徴的です。1990年代後半より有機ELディスプレイ関連特許の出願を始め、2001年から2003年にかけて、件数を大きく伸ばしました。注目度の高い特許には、アクティブマトリックス型有機ELディスプレイの製造方法や、駆動電圧の低電圧化と表示品位の向上を両立させるための技術などがあります。
技術開発企業である2位の半導体エネルギー研究所は、2003年頃から継続的に2位ではありますが、近年着実に総合力を高めており、1位のセイコーエプソンとの差が縮まってきています。注目度の高い特許には、低消費電力で、寿命の長い発光素子に関する技術や、インクジェット方式によるEL層の形成を簡便でかつ高速に処理するための技術などがあります。
3位のサムスンは、近年の出願件数が大きく伸びている企業の1つで、積極的な技術開発に取り組んでいることが伺えます。過去に合弁会社を設立していたNECが有機EL事業から撤退したことにより、同社から譲渡を受けた特許も多く保有しています。この中の注目度の高い特許には、素子の輝度を向上させるための技術や、画素の点灯応答の遅れを改善するための技術などが見られます。
※サムスン:サムスンモバイルディスプレイ、サムスン電子、サムスンSDIを含めて集計
※パナソニック:パナソニック、パナソニック液晶ディスプレイを含めて集計
本分析の詳細については、定型レポート「有機ELディスプレイ」にてご覧いただけます。
※1 総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」が50点以上の特許のみを企業ごとに集計し、合算しています。パテントスコア50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
定型レポート、ランキングデータの販売
定型レポート 『有機ELディスプレイ』
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
内容 | 価格(税抜) | 納期 | ||
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特許総合力ランキングデータ 『有機ELディスプレイ』
パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
【収録データ】
・特許総合力ランキング 上位30社リスト
・有効特許件数ランキング 上位30社リスト
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