弊社はこのほど、『EV 関連技術』について、世界での特許総合力(※1)を示す「グローバルスコア(※2)」の企業ランキングを、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて集計しました。
EV(電気自動車)は、排出ガスを出さない環境にやさしい車として注目されている一方、充電インフラの整備やバッテリー性能向上といった課題も残っています。また、各国の政策的な支援を背景に、世界各国で技術競争が激化しています。本調査では『EV 関連技術』全般について、日本、米国、欧州、中国の主要4国・地域における「パテントスコア」(個別特許の注目度を得点化)を合算し、世界における特許の質と量を総合的に見た評価を行いました。
集計の結果、「グローバルスコア 特許総合力ランキング」では、1位 トヨタ自動車、2位 FORD MOTOR(米)、3位 本田技研工業となりました(表1、図1、図2)。
【EV 関連技術:グローバルスコア 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 34,304.5 | 9,813 | 95.2 | |
FORD MOTOR(米) | 20,414.7 | 3,118 | 96.0 | |
本田技研工業 | 16,364.1 | 3,983 | 96.5 | |
BYD(中) | 13,127.3 | 2,355 | 98.0 | |
LG ENERGY SOLUTION(韓) | 11,116.6 | 1,752 | 94.8 |

図1:【EV 】関連技術 競合状況

図2:【EV 】関連技術 国別スコア内訳
1位 トヨタ自動車は日本、米国、中国特許の寄与が大きくなっており、日本と中国特許におけるランキングでも1位となっています。注目度の高い特許には、「無線給電を用いて電気自動車の搭載バッテリーを外部から充電可能にする技術」や「排水を促進する部材を設置した、外部電源装置の充電用車載インレット」などが挙げられます。
2位 FORD MOTORは米国、中国特許の寄与が大きくなっており、中国特許におけるランキングでは1位となっています。注目度の高い特許には、「直流高速充電用の充電前置回路が組み込まれたEV」や「車両用のバッテリー寿命推定システム」などが挙げられます。
3位 本田技研工業は日本、中国、米国特許の寄与が大きくなっています。注目度の高い特許は「電気自動車の残り走行可能距離と充電ステーションの情報を考慮した充電オプションの提示システム」や「蓄電池の充放電状態に応じて柔軟に電力系統との電力授受を切り替える電力貯蔵装置」などがあります。
4位 BYDは「電池ケース内に複数の電池コアグループを収容し、それらを隔壁板で仕切ることで小型化と高容量化を実現した電池モジュール、電池パック及び電気自動車」などが、5位 LG ENERGY SOLUTIONは「バッテリーの残存価値や使用コストを算出する電気自動車用のバッテリーサービスシステム」などが注目度の高い特許として挙げられます。
6位以下には、日産自動車、HYUNDAI MOTOR(韓)などがランクインしています。
本分析の詳細については、『EV 関連技術』グローバルスコア:ランキングデータにてご覧いただけます。
(※1)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する、「パテントスコア」を企業ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
(※2)グローバルスコアは、日本、米国、欧州特許庁、中国の主要4国・地域の出願分についてパテントスコアを合算し、世界での技術競争力を評価したものです。
2024年11月28日までに発行された特許が対象。登録公報と、公開公報が重複している場合は、登録を優先しています。企業等は権利者ベースで集計しています。
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