弊社はこのほど、国内に出願された住宅リフォーム関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめました。
国内の住宅購入では新築偏重が主流の中、国土交通省の住宅着工統計(注1)によると、20年以上100万戸以上で推移していた新設住宅着工数は、長期的なトレンドとして減少傾向を示しており、平成21年以降はついに100万戸以下となりました。一方、平成18年6月に施行された住生活基本計画(注2)が平成23年3月に見直しされた際、「既存住宅流通・リフォーム市場の整備推進」が骨子の一つとして閣議決定されており、住宅リフォームのニーズは一段と高まっています。本調査では、住宅リフォーム関連技術(注3)の特許を抽出し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見たランキングを作成しました。
その結果、「総合力ランキング(注4)」では、1位 YKK AP、2位 ミサワホーム、3位 LIXILという結果となりました(表1、図1)。
【住宅リフォーム関連技術 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 権利者 | 権利者スコア | パテントスコア 最高値 |
有効特許件数 |
---|---|---|---|---|
YKKAP | 218.4 | 69.9 | 47 | |
ミサワホーム | 158.5 | 72.9 | 54 | |
LIXIL | 147.9 | 73.1 | 31 | |
積水化学工業 | 136.1 | 68.9 | 40 | |
住友林業 | 121.5 | 70.4 | 30 | |
図1:住宅リフォーム技術 競合状況
1位YKK APの注目度の高い特許には、「既設サッシの既設枠に設けられる改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法」が挙げられます。
2位ミサワホームは、「改装床及び床の改装方法」や、LIXILと共同保有である「リフォーム用サッシ枠の取付構造」で注目度の高い特許を有しています。また、「壁のリフォーム方法」や「外装材の支持構造」など、多くのリフォーム要素技術を権利化しています。
3位LIXILの注目度の高い特許には、「後付けシャッターの取付構造」や「改装サッシ」などが挙げられます。また、「建物のカーテンウォール改装方法」や「断熱パネル、建物の室内側断熱構造、室内側断熱構造の施工方法、断熱パネルの割り付けシステム、及び断熱パネルの割り付け方法」など、内装リフォーム関連分野にも多くの出願を行っています。
図2:上位企業 住宅リフォーム技術 権利者スコアの年推移
※横軸の「スコア算出年」とは、公報単位の経過情報を算出時点以前の項目のみに限定し、その当時の評価値を算出した年です。
※過去時点の権利者スコアは、スコア算出年において最新の名義人(権利者)が保有していた(個別公報の出願人名義変更・権利移転が行われていない)と仮定して算出しています。
本調査の特許総合力上位5社に対し、総合力の経時変化(権利者スコア推移)を図2に示します。2010年以降に総合力が伸びている企業として、現在トップのYKKAPと5位の住友林業が挙げられます。
図3:出願件数上位企業 要素技術別出願状況1
図4:出願件数上位企業 要素技術別出願状況2
図3、図4は、本調査の出願件数上位10社について、要素技術別出願状況を示したものです(図3における円の大きさは件数に比例。図4における円の大きさは一定)。建築用断熱外壁材の製造・販売を主事業とするアイジー工業は「【2E110】壁の仕上げ」分野、建材・設備機器の製造・販売を主事業とするLIXILとYKKAPは「【2E011】開口に固定される戸、窓等の枠」分野、金属屋根製品等の製造販売を主事業とする元旦ビューティー工業は「【2E108】屋根ふき・それに関連する装置または器具」分野へ多くの特許出願を行っています。また、ミサワホーム、積水ハウス、住友林業などのハウスメーカーに加え、積水化学工業は「【2E001】建築環境」分野と「【2E176】既存建築物への作業」分野への特許出願を中心としながらも、「【2E110】壁の仕上げ」「【2E220】床の仕上げ」など様々な要素技術分野にも特許出願を行っています。
本分析の詳細については、定型レポート「住宅リフォーム関連技術」にてご覧いただけます。
(注1)http://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000352.html
(注2)http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/jyuseikatsu/hyodai.html
(注3)特に戸建て住宅のリフォーム技術にフォーカスし、オフィスビルや事務用建築物、マンション、集合住宅のリフォーム技術は除外しています。
(注4)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を企業ごとに集計し、そのうち分析母集団における平均点以上のパテントスコアの値を集計しています。平均点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
定型レポート、ランキングデータの販売
定型レポート 『住宅リフォーム関連技術』
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
内容 | 価格(税抜) | 納期 | ||
---|---|---|---|---|
定型レポート | 10万円 | 5営業日 | ||
個別企業分析(※) (追加オプション) |
1~3社まで (社数に関わらず同一価格) |
+20万円 | +5営業日 | |
4社目以降、 1社あたり |
+7万円 | +1営業日 |
(注)レポートは弊社データベースにおける最新の収録範囲に基づき作成いたします。
そのため、ご注文のタイミングによっては上記ランキングと順位、値が異なる可能性があります。
【納品形態】
レポートのPDF、公報リストを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
レポート冊子やデータ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
レポートについてはこちらのページをご覧ください。
特許総合力ランキングデータ 『住宅リフォーム関連技術』
パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
【収録データ】
・特許総合力ランキング 上位30社リスト
・有効特許件数ランキング 上位30社リスト
・開発規模(出願件数)ランキング 上位30社リスト
・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ)
・母集団の公報リスト
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
【価格】
50,000円(税抜)