画像コントラストに優れ、また放射線被爆のないクリーンな画像診断装置として現代医療には欠かすことのできないMRI(磁気共鳴イメージング)。弊社はこの度、MRIの主要技術の1つである画像処理関連技術に着目し、参入企業の競争力について調査を行いました。1993年から2011年9月末までに公開されたMRI画像処理関連技術の特許群を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」による評価を実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング(※)」を集計しました。
集計の結果、1位 東芝、2位 日立メディコ、3位 Philips Electronicsとなりました。
【MRI画像処理関連技術 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
東芝 | 1199.9 pt | 600 | 80.2 pt | |
日立メディコ | 968.3 pt | 595 | 85.3pt | |
Philips Electronics | 838.8 pt | 293 | 69.3 pt | |
富士フイルム | 422.9 pt | 106 | 80.9 pt | |
東芝メディカルシステムズ | 377.7 pt | 309 | 86.1 pt | |
1位東芝の注目度の高い特許には、異なる検査で得られた断層像を効率よく比較読影する「画像表示システム及びそのシステムを用いた画像表示方法」に関する技術などがあります。
2位日立メディコは、抽出画像に対してしきい値をリアルタイムに判断しながら入力可能な「画像処理装置」などが、3位のPHILIPS ELECTRONICSは、癌療法などに適用可能な「磁気共鳴イメージ化によって導かれた超音波による加熱処理装置」などが注目度の高い技術として挙げられます。
また4位富士フイルムは、3次元画像中で任意曲線・局面から見た構造物を平面に展開する「投影画像生成装置、方法、およびプログラム」に関する技術などが、5位東芝メディカルシステムズは東海大学との共同出願による、脳脊髄液などの流速変化の分布を画像化可能な「磁気共鳴イメージング装置」などが注目度の高い技術として挙げられます。
本分析の詳細については、定型レポート「MRI画像処理関連技術」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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