弊社はこのほど、独自に分類した化学業界の企業を対象に、2013年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「化学業界 他社牽制力ランキング2013」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2013年に最も引用された企業は、富士フイルムの6,861件、次いで花王の2,316件、三菱化学の2,114件となりました。
【化学業界 他社牽制力ランキング2013 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
富士フイルム | 6,861 | |
花王 | 2,316 | |
三菱化学 | 2,114 | |
積水化学工業 | 2,043 | |
三井化学 | 1,628 | |
日東電工 | 1,533 | |
住友化学 | 1,382 | |
日立化成 | 1,324 | |
カネカ | 1,203 | |
信越化学工業 | 1,197 | |
1位富士フイルムの最も引用された特許は、「金属研磨用組成物(特願2007-50123)」で、後発の特許15件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この15件はいずれもJSRによる出願となっています。
2013年に、富士フイルムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はキヤノン、次いでコニカミノルタ、ニコンとなっています。
2位花王の最も引用された特許は、「磁気ディスク基板のナノスクラッチの低減方法(特願2005-64748)」(公開時の発明の名称は「研磨液組成物」)および「ガスバリア用材料(特願2008-204273)」で、いずれも後発の特許8件の審査過程で拒絶理由として引用されており、前者はJSRの8件、後者は凸版印刷の5件をはじめ、住友ベークライトの2件、第一工業製薬による1件となっています。
2013年に引用された花王の2,316件の公報を分野別にみると、「化粧料」が多いほか、「洗浄剤」「おむつ等の吸収体」などの技術がみられます。
3位三菱化学の最も引用された特許は、「酸性飲料(特願平8-310619)」で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはTHE COCA-COLAの10件、THE CONCENTRATE MANUFACTURING COMPANY OF IRELAND(PEPSICO INCの子会社)の2件となっています。
2013年に引用された三菱化学の特許には、「樹脂組成物」「有機EL」「リチウムイオン2次電池」などの技術が多くみられます。
日本特許庁に特許出願され、2013年12月までに公開されたすべての公報のうち、2013年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された公報を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2014年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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