弊社はこのほど「精密機器業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「精密機器業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、キヤノン、次いでセイコーエプソン、リコーとなりました。
【精密機器業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
キヤノン | 5,398 | |
セイコーエプソン | 3,165 | |
リコー | 3,093 | |
コニカミノルタ | 2,344 | |
大日本印刷 | 2,167 | |
オリンパス | 1,640 | |
富士フイルムビジネスイノベーション | 1,573 | |
TOPPANホールディングス | 1,348 | |
ニコン | 1,125 | |
京セラドキュメントソリューションズ | 786 | |
1位 キヤノンの最も引用された特許は「水素を含有した酸化物半導体チャネルを用いた電界効果型トランジスタ」に関する技術で、半導体エネルギー研究所の計15件の審査過程で引用されています。このほかには「優れた耐環境安定性を有するアモルファス酸化物」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、半導体エネルギー研究所の計7件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、キヤノンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はリコー(330件)、次いでブラザー工業(254件)となっています。
2位 セイコーエプソンの最も引用された特許は「伸縮に伴う電気的接続の喪失を防ぐモーション検出装置」に関する技術で、パナソニックなどの計4件(のべ6回)の審査過程で引用されています。このほか「移動体の位置と撮像画像の対応を効果的に表示できる表示装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、リアルグローブなどの計4件(のべ4回)の拒絶理由として引用されています。
2024年に、セイコーエプソンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はキヤノン(229件)、次いでブラザー工業(165件)です。
3位 リコーの最も引用された特許は「会議を効率化することができる会議支援システム」に関する技術で、三菱電機や日立製作所など計6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、リコーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はキヤノン(414件)、次いで富士フイルムビジネスイノベーション(174件)となっています。
そのほか、4位 コニカミノルタは「電子写真法を利用して簡単に作製できる付箋紙の製造方法」、5位 大日本印刷は「カーボンニュートラルなポリエステルフィルム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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