弊社はこのほど「電力・ガス・石油業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電力・ガス・石油業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、出光興産、次いで大阪ガス、中国電力となりました。
【電力・ガス・石油業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
出光興産 | 426 | |
大阪ガス | 353 | |
中国電力 | 310 | |
東京ガス | 271 | |
ENEOS | 241 | |
東京電力ホールディングス | 214 | |
関西電力 | 126 | |
EXXONMOBIL CHEMICAL PATENTS(米) | 99 | |
中部電力 | 81 | |
東邦ガス | 58 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 出光興産の最も引用された特許は「酸化物半導体膜を含む薄膜トランジスタ」に関する技術で、半導体エネルギー研究所の計10件の審査過程で引用されています。このほかには「機械的強度に優れたアイオノマー樹脂」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日本ポリエチレンなど計5件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、出光興産の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は半導体エネルギー研究所(53件)、次いでENEOS(19件)となっています。
2位 大阪ガスの最も引用された特許は「保存期限の近い食材を優先的に消費させるための食材管理システム」に関する技術で、三菱電機などの計4件の審査過程で引用されています。このほか「優れたハンドリング性を示す新規な高耐熱性アルコール」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、帝人などの計3件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、大阪ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニック(17件)、次いでトヨタ自動車(11件)です。
3位 中国電力の最も引用された特許は「雑草の成長を抑制することができる防草シート」に関する技術で、電力中央研究所の計3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、中国電力の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱重工業、三菱電機(いずれも11件)、次いでトヨタ自動車(9件)となっています。
そのほか、4位 東京ガスは「健康被害の危険性を警告できる健康被害警告方法」、5位 ENEOSは「透過光を散乱制御する映像投影システム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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