弊社は、このほど「株価先行指標としての特許件数の分析」に関する調査結果をまとめ、2011年10月15日、16日に開催された「研究・技術計画学会 第26回年次学術大会」において研究成果を発表いたしました。本研究により、企業が出願した特許件数と株価には相関があり、時価総額から見て割安な銘柄に投資する場合に、特許出願に積極的な銘柄に投資した方がその後のリターンが大きいことが明らかになりました。東京大学 先端科学技術センターの渡部 俊也教授と、三菱商事アセットマネジメント株式会社の関野勝弘副社長との共著として実施いたしました。
従来の企業評価では、財務データに基づき成長性等の評価が行われていますが、製造業の企業においては「技術力」も企業競争力を測るうえで重要な要素となります。しかし、これまで技術力を測る指標がありませんでした。そこで今回の研究では、技術力を象徴する指標として「特許」に着目し、企業成長性の先行指標としての有用性について検証しました。
具体的には、2000年から2010年までに東証一部に上場した企業を対象として、時価総額あたりの特許件数(特許/時価総額)を算出し、その後の株価上昇率を19業種(※)ごとにTOPIXと比較しました。その結果、いくつかの業種において、「特許/時価総額」が株価の上昇と高い相関があり、特許から見た割安銘柄は、TOPIXを上回るパフォーマンスを示すことが分かりました。おおよそ2~5年後の株価の上昇に寄与しており、中長期投資において有効性を発揮する可能性があります。
業種別に見ると、2000年ごろは電気機器、機械、輸送用機器などの業種との相関が高くでていましたが、2008年には繊維や金属など材料、素材系の業種との相関が高くなっており、日本の技術の主力が製造分野から素材分野へとシフトしていることが、特許と株価の関連にも表れていると考えられます。
今回の研究では出願件数との相関について検証しましたが、今後は特許の注目度を評価する指標「パテントスコア」を用い、さらなるパフォーマンスの向上に取り組むとともに、特許情報を活用した企業評価や株式投資手法の確立を目指します。
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