株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した精密機器業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「精密機器業界 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された企業はキヤノン、次いでセイコーエプソン、リコーとなりました。
【精密機器業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
キヤノン | 7,673 | |
セイコーエプソン | 4,813 | |
リコー | 4,281 | |
コニカミノルタ | 3,733 | |
オリンパス | 2,560 | |
大日本印刷 | 2,530 | |
富士ゼロックス | 2,243 | |
ニコン | 1,805 | |
凸版印刷 | 1,477 | |
京セラドキュメントソリューションズ | 791 | |
1位 キヤノンの最も引用された特許は、有機ELに関する「発光装置とその作製方法」(特許第5197058号)で、全てが半導体エネルギー研究所の特許14件の審査過程で拒絶理由として引用されています。そのほかには「複眼光学機器」(特願2014-075936;取下げにより特許権無し)や「ボトムゲート型薄膜トランジスタの製造方法及び表示装置の製造方法」(特許第5305630号)などが、引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、キヤノンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はリコー(579件)、次いで、セイコーエプソン(356件)、富士ゼロックス(339件)となっています。
2位 セイコーエプソンの最も引用された特許は、「画像表示装置および遊技機」(特願2004-229023;取下げにより特許権無し)で、ジーグの特許7件、ユニバーサルエンターテインメントとサミーが共同出願の特許1件を含む全8件の拒絶理由として引用されています。そのほか、「圧電デバイス、及び電子機器」(特願2011-244214;拒絶査定により特許権無し)や「インクジェットプリンター等の記録装置」(特許第6083186号)などが引用された件数が多い特許として挙げられます。
2018年に、セイコーエプソンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はリコー(268件)、次いで、キヤノン(259件)、ブラザー工業(160件)となっています。
3位 リコーの最も引用された特許は、「トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法、画像形成装置、及びトナーの製造方法」(特許第5560963号)で、全てが富士ゼロックスの特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されています。そのほか、「トナー、現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置」(特許第6171361号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、リコーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はキヤノン(494件)、次いで、富士ゼロックス(350件)、京セラドキュメントソリューションズ(342件)となっています。
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