特許出願が多い技術分野の1つに「生命工学」が挙げられます。そこで弊社は、大学・TLOを対象として「生命工学」分野の中でも「遺伝子」に関連する技術に着目し、各機関の競争力に関する調査を行いました(注1)。
1993年から2012年9月末までに日本の特許庁で公開された関連特許4,084件を対象に、個別特許の注目度を指数化する「パテントスコア」による評価を実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング(注2)」を集計しました。
集計の結果、1位 九州大学、2位 岡山大学、3位 京都大学となりました。
【大学・TLO 遺伝子関連技術 特許総合力トップ5】
順位 | 機関名 | 総合力 (権利者 スコア) |
有 効 特許 件数 |
個別力 (最高 スコア) |
---|---|---|---|---|
九州大学 | 523.3 | 77 | 82.5 | |
岡山大学 | 437.2 | 79 | 78.8 | |
京都大学 | 361.3 | 95 | 77.1 | |
東京大学 | 358.7 | 136 | 86.0 | |
慶応義塾 | 337.1 | 67 | 82.1 | |
1位の九州大学の注目度の高い特許には、「延命や抗老化効果、感染防御効果を有する物質」や「ハウスダストアレルギーの原因となるダニ・カビ類の検出」に関する技術などがあります。そのほか、森永乳業と「食品や臨床試料中に含まれる微生物の検出法」などについて共同出願をしています。
2位の岡山大学の注目度の高い特許には、「哺乳動物における新規トランスポータータンパク質」に関する技術などが、また3位の京都大学の注目度の高い特許には山中伸弥教授のiPS関連特許が挙げられます。
本分析の詳細については、定型レポート『大学・TLO「遺伝子関連技術」』にてご覧いただけます。
(注1)【調査対象の特許群について】
特許庁の特許戦略ポータルサイトにおける定義などを参考に、独自に整備した分類体系を適用。
「遺伝子」に該当する分類が付与されている公報群を抽出した。
(注2)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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