弊社はこのほど、リチウムイオン2次電池に使われる固体電解質について、参入企業の競合状況に関する調査結果をまとめました(※1)。固体電解質は、発熱による発火の危険が少ないことから、安全性の高い材料として注目を集めています。また、液状の電解質のように気密性を確保する必要がないため、薄型化に向いているという特徴もあります。
今回の調査では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。その結果、「総合力ランキング(※2)」では、1位ソニー、2位サムスンSDI、3位パナソニックとなりました。
ソニーは出願件数でも1位となっており、この分野で最も開発規模が大きい企業であることが分かります。1998年ごろから出願件数が増加しており、このころから開発が本格化したものと考えられます。同社の特許は、特許庁審査官による拒絶理由通知に引用される回数が多く、先行技術としての認知度の高さ、他社牽制力の高さが伺えます。三洋電機や東芝などの出願に対する拒絶に多く引用されました。
出願件数順位で8位のサムスンSDIは、注目度の高い特許を多く保有していることから、総合力では2位となりました。また、3位のパナソニックは件数順位でも3位であり、この分野において質、量ともに競争力を持つ企業の1つであるといえます。
【リチウムイオン2次電池 固体電解質 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (権利者最高スコア) |
---|---|---|---|---|
ソニー | 646.3 pt | 296 | 24.9 pt | |
SAMSUNG SDI | 329.8 pt | 65 | 33.2 pt | |
パナソニック | 236.6 pt | 154 | 28.6 pt | |
GSユアサ | 220.5 pt | 182 | 27.0 pt | |
出光興産 | 217.2 pt | 66 | 21.2 pt | |
本分析では、ゲル状電解質を用いたリチウムポリマー電池に関する特許が多く含まれていますが、総合力上位企業のうちパナソニックと出光興産については全固体型に関する特許が多く、これらの特許が両社の総合力を押し上げる結果となっています。
本分析の詳細については、特許・技術調査レポート「リチウムイオン二次電池 固体電解質」にてご覧いただけます。
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
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そのため、ご発注のタイミングによっては上記ランキングと順位、値が異なる可能性があります。
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パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
【収録データ】 ・特許総合力ランキング_上位30社リスト ・有効特許件数ランキング_上位30社リスト ・開発規模(出願件数)ランキング_上位30社リスト ・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ) ・母集団の公報リスト |
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