投稿日:2010年09月15日
【リチウムイオン二次電池 セパレーター】特許総合力トップ3は旭化成イーマテ、帝人、パナソニック
#化学製品・材料 , #自動車・輸送機器 , #電子部品・電子機器・電子材料
弊社はこのほど、リチウムイオン2次電池に使われるセパレーターについて、参入企業の競合状況に関する調査結果をまとめました。セパレーターは、リチウムイオン電池の正極と負極を分離する働きを持ちます。何らかの原因で電池が発熱して高温状態に達した場合に、リチウムイオンの移動を阻止し、内部短絡を防止するという、安全性確保のために重要な役割を果たしています。
今回の調査では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。その結果、「総合力ランキング(※)」では、1位 旭化成イーマテリアルズ、2位 帝人、3位 パナソニックとなりました。
総合力1位の旭化成イーマテリアルズは出願件数で2位となっており、特許の質と量の両面で強さを持っていることが分かります。また出願件数で6位の帝人は、注目度の高い特許を多く保有していることから、総合力では2位となりました。総合力3位のパナソニックは、この分野で最も高いパテントスコアを持つ特許を保有しています。
【リチウムイオン2次電池 セパレーター 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (権利者最高スコア) |
---|---|---|---|---|
旭化成イーマテリアルズ | 382.82 pt | 120 | 23.4 pt | |
帝人 | 342.41 pt | 67 | 27.6 pt | |
パナソニック | 256.1 pt | 133 | 32.5 pt | |
日立マクセル | 251.24 pt | 67 | 28.4 pt | |
LG CHEM | 211.24 pt | 24 | 18.5 pt | |
図1:リチウムイオン二次電池 セパレーター 競合状況
旭化成イーマテリアルズは、この分野において市場シェアでも1位であり、今回の評価結果にはその技術力の高さが反映されているものと考えられます。一方、2位の帝人は現時点で事業化には至っていないようですが、セパレーターに関する特許出願が2008年になり急増していること、および本分析においても高い総合力が認められることから、事業化に至ればセパレーター市場において大きな存在感を持つ可能性があります。
本分析の詳細については、定型レポート「リチウムイオン二次電池 セパレーター」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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