投稿日:2011年08月24日
【全固体型リチウムイオン二次電池】特許総合力トップ3は出光、パナソニック、トヨタ
#環境・エネルギー , #自動車・輸送機器 , #電子部品・電子機器・電子材料
弊社はこのほど、全固体型リチウムイオン二次電池(※1)について特許分析ツール「BizCruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめました。
電気自動車や蓄電用途としてリチウムイオン二次電池が注目されていますが、従来型は有機溶媒を電解質と用いているため、液漏れや発火といった安全性に問題を抱えています。そこで、次世代型として、電解質に固体を用いた全固体型リチウムイオン二次電池の開発が進められています。
本調査では全固体リチウムイオン二次電池関連の特許を集計し、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
その結果、「総合力ランキング」(※2)では、1位 出光興産、2位 パナソニック、3位 トヨタ自動車となりました。
【全固体型リチウムイオン二次電池 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
出光興産 | 240.6 pt | 103 | 71.1 pt | |
パナソニック | 237.0 pt | 118 | 76.0 pt | |
トヨタ自動車 | 180.0 pt | 92 | 68.4 pt | |
オハラ | 104.3 pt | 43 | 68.3 pt | |
ナミックス | 104.0 pt | 8 | 73.8 pt | |
図1:全固体型リチウムイオン二次電池 競合状況
最も出願件数が多いのはパナソニックですが、2008年以降の出願は見られません。総合力の経時変化を見ると、当初はパナソニックが他社を圧倒していましたが、2008年以降に出光興産、トヨタ自動車が出願件数とともに大きく総合力を伸ばし、現在のような競合状況に至っています。
これら上位3社に次ぐのがオハラ、ナミックスとなっています。パナソニックを除き、現行のリチウムイオン二次電池メーカーではない企業が上位となっていることが特徴的と言えます。
本分析の詳細については、定型レポート「全固体型リチウムイオン二次電池」にてご覧いただけます。
※1 本分析対象特許は2010年9月6日に発表した「固体電解質」とは異なり、準固体・擬固体・ゲル電解質は含んでおりません。また、電解質そのものだけでなく、固体電解質が使用される場合の電極等、全固体型リチウムイオン二次電池に関連する特許を広く抽出しています。
※2 総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」が50点以上の特許のみを企業ごとに集計し、合算しています。パテントスコア50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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