今年のCEATECにおける家電メーカーの展示は昨年に続き3Dディスプレイが中心となっていました。中でも東芝が裸眼式3Dディスプレイを発表し、大きな話題となっております(ちなみに筆者はあまりの混雑ぶりに同製品の見学を諦めました)。東芝ほど大きな話題にはなっていませんが、この他ではシャープやNHKなども裸眼式3Dディスプレイを展示していました。
昨年から今年初めにかけて登場したばかりの眼鏡式3Dディスプレイですが、眼鏡装着に対する煩わしさがあることから、今後は裸眼式にシフトしていくものと思われます。そこで本コラムではその裸眼式3Dディスプレイについて、特許情報から各企業の技術競争力について調査いたしました。
まず図1に裸眼式3Dディスプレイに関する特許の出願件数推移を示します。消費者観点では眼鏡式も含めて3Dディスプレイという商品は突然現れた印象もありますが、技術的にはかなり歴史があるということが伺えます。
続いて、裸眼式3Dディスプレイに関する特許の件数ランキングを図2に示します。現在までに公開されている総数では三洋電機が最も多いですが、取下げ、失効、拒絶を除いた特許数(有効特許)ではシャープが最も多く、東芝、蘭・Philipsと続きます。
次に有効特許のみで見たランキングを図3に示します。サムスングループが日本にもかなりの件数を出願してきていることが分かります。
さて、これらの企業の技術的な競争力はどのようになっているのでしょうか。個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。その結果を図4に示します(2010年8月末時点の評価値)。
総合力が最も高いのはシャープであり、続いてPhilips、東芝と、裸眼3Dディスプレイを展示していた3社中、2社の総合力が1位と3位という結果になりました。NHKに関しては方式の違いもあり、注目度という点に関しては一般企業と比べ低いのかもしれません。
もう一つの注目点が2位Philipsです。Philipsは個別に突出した特許は見受けられませんが、比較的優れた特許が多く、総合力として高い位置に付けています。ディスプレイ関係の外国企業では韓国のSamsungやLGがしばしば取り上げられますが、Philipsも要注目企業と言えるでしょう。
※グラフの見方
総合力(縦軸):注目度の高い特許を多く持っている企業ほど、マップの上側へ
個別力(横軸):1件でも注目度の高い特許を持っていれば、マップの右側へ
出願件数(円の大きさ):円の大きさは、出願件数の多さ
◆本分析の詳細については、簡易コンサルレポートBの「特定技術分野の競合分析:裸眼3Dディスプレイ」に掲載しています(税抜100,000円)。
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