弊社はこのほど、独自に分類した建設業界の企業を対象に、2012年の特許審査過程で他社特許の拒絶理由通知に引用された件数を企業別に集計した「建設業界 被引用特許件数ランキング2012」をまとめました(注1)。この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2012年に最も引用された企業は、清水建設の544件、次いで日立プラントテクノロジーの477件、日立ビルシステムの457件となりました。
【建設業界 被引用特許件数ランキング2012 上位10】
順位 | 企業名 | 引用された公報数 |
---|---|---|
清水建設 | 544 | |
日立プラントテクノロジー | 477 | |
日立ビルシステム | 457 | |
鹿島建設 | 425 | |
東芝エレベータ | 356 | |
大成建設 | 351 | |
大林組 | 347 | |
竹中工務店 | 321 | |
ミサワホーム | 306 | |
三菱電機ビルテクノサービス | 291 | |
1位 清水建設の2012年に最も引用された公報は、「空調システム(特願2006-169566)」です。NTTファシリティーズ、関電エネルギーソリューションなど5件の拒絶理由に引用されました。また、2012年に清水建設の公報によって拒絶理由通知を受けた件数が最も多い企業は大林組です。清水建設の53件が引用され、大林組の48件が拒絶理由通知を受けています。
2位 日立プラントテクノロジーの最も引用された公報は、「転写方法及び転写装置(特願2003-397108)」です。半導体の微細加工のためのパターン転写に関する技術で、東京エレクトロン、富士電機、東芝機械など5件の拒絶理由通知に引用されました。分野別には、「水処理」や「空調機器」などに関する技術が多く引用されています。
3位の日立ビルシステムは、「エレベーターの清掃装置、及びエレベーターの清掃方法(特願2005-338857)」が最も引用されました。大林組、富士工業など、5件の公報の拒絶に引用されました。分野別に見ると、ほぼエレベータまたはエスカレータ関連の技術となっています。
そのほか、大手ゼネコンでは、鹿島建設の「アスベスト撤去法及びその装置(特願1995-229743)」が、大成建設の「室内設備の管理システム(特願2004-021293)」が、大林組の「モルタル・コンクリートの製造方法(特願2003-413124)」が、竹中工務店の「機器・配管類の取付方法およびそれに用いる吊上げ型揚重機(特願1992-179458)」が、それぞれ最も多く引用されています。
2012年11月までに公開されたすべての公報について、2012年1月から11月末までに拒絶理由として引用された公報を抽出。さらに引用元の名義と拒絶通知を受けた公報の名義が異なるものについて企業別に集計しました。
※このほか、「拒絶理由通知を受けた件数」に関する企業ごとの集計や、個別公報の引用・被引用の対応関係についても調査しております。詳細はお問い合わせください。
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建設業界 被引用特許件数ランキング2012 ご提供データ
(1)ランキングトップ50
被引用特許件数上位50社のランキング
(2)上位10社の被引用件数上位10件のリスト
上位10社について、被引用件数上位10件を拒絶した相手の公報との対応とともに掲載。
(3)被引用件数上位100公報
建設業界の被引用公報、上位100件の公報リストを掲載
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