弊社はこのほど、独自に分類した医薬品業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「医薬品業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、Pfizerの646件、次いでNovartisの400件、F. Hoffmann-La Rocheの305件となりました。
【医薬品業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
Pfizer(米) | 646 | |
Novartis(スイス) | 400 | |
F. Hoffmann-La Roche(スイス) | 305 | |
Merck Sharp & Dohme(米) | 302 | |
武田薬品工業 | 295 | |
Bayer(独) | 253 | |
AstraZeneca(スウェーデン) | 237 | |
Genentech(米) | 183 | |
アステラス製薬 | 182 | |
Glaxo Group(英) | 171 | |
1位Pfizerの最も引用された特許は、「急速溶解性口内消耗性フィルム(特願2000-571886)」で、MonoSol Rx(米)の2件をはじめ3M Innovative Properties(米)やHenkel(独)など計6件の特許の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2014年に、Pfizerの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNovartis(スイス)、次いでBoehringer Ingelheim International(独)、F. Hoffmann-La Roche(スイス)となっています。
2位Novartisの最も引用された特許は、「癌を予防および治療するための抗体」に関する特許(特許第5517619号)で、後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはBayer Intellectual Property(独)の6件、XOMA Technology(米)の1件となっています。
2014年に、Novartisの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJohnson & Johnson Vision Care(米)、次いでBoehringer Ingelheim International(独)、Genentech(米)となっています。
3位F. Hoffmann-La Rocheの最も引用された特許は、「P2X3受容体拮抗薬」に関する特許(特許第4987871号)および、Genentech(米)との共同保有となっている「PI3キナーゼの阻害剤および使用方法」に関する特許(特許第5546240号)で、前者はMerck Sharp & Dohme(米)の4件とEvotec(独)の1件、後者はGenentech(米)の2件のほかに3件と、それぞれが後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
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