弊社はこのほど、独自に分類した石油・エネルギー業界の企業を対象に、2013年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2013」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2013年に最も引用された企業は、出光興産の1,020件、次いで大阪ガスの1,006件、JX日鉱日石エネルギーの696件となりました。
【石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2013 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
出光興産 | 1,020 | |
大阪ガス | 1,006 | |
JX日鉱日石エネルギー | 696 | |
東京ガス | 652 | |
東京電力 | 467 | |
関西電力 | 420 | |
中国電力 | 373 | |
中部電力 | 215 | |
東邦ガス | 174 | |
SHELL INTERNATIONAL RESEARCH MAATSCHAPPIJ | 143 | |
1位出光興産の最も引用された特許は、「冷凍機用潤滑油組成物(特願2009-542583)」で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはJX日鉱日石エネルギーの7件、サンデンの3件となっています。
2013年に引用された出光興産の1,020件の公報を分野別にみると、「有機EL」が圧倒的に多く、このほかには「潤滑油組成物」「樹脂組成物」などの技術がみられます。
2位大阪ガスの最も引用された特許は、「電力供給システム(特願2004-82019)」および、川崎重工業との共同出願である「ファイバー電池及びその製造方法(特願2002-118639)」 で、いずれも後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されており、前者は富士電機、JX日鉱日石エネルギーの各2件、荏原、WARTSILA FINLANDの各1件、後者は川崎重工業と産業技術総合研究所の共同出願5件、LG CHEM(韓)による1件となっています。
2013年に、大阪ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニック、次いで、三菱電機、東京ガスとなっています。
3位JX日鉱日石エネルギーの最も引用された特許は、「ディーゼルエンジン油組成物(特願平7-299216)」のほか計4件が、それぞれ後発の特許各6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2013年に、JX日鉱日石エネルギーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は出光興産、次いで、昭和シェル石油、INFINEUM INTERNATIONAL(英)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2013年12月までに公開されたすべての公報のうち、2013年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された公報を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2014年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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