弊社はこのほど、独自に分類した食品業界の企業を対象に、2013年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2013」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2013年に最も引用された企業は、味の素の397件、次いで雪印メグミルクの200件、日本たばこ産業の179件となりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2013 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
味の素 | 397 | |
雪印メグミルク | 200 | |
日本たばこ産業 | 179 | |
NESTLE(スイス) | 154 | |
サントリーホールディングス | 148 | |
太陽化学 | 134 | |
大塚化学 | 124 | |
日清オイリオグループ | 121 | |
明治 | 120 | |
ヤクルト本社 | 117 | |
1位味の素の最も引用された特許は、「油性基剤のゲル化剤(特願2002-31820)」で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には高級アルコール工業の2件のほか、花王、日本精工、ロート製薬などとなっています。
2013年に、味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は花王、次いで、CJ CHEIL JEDANG(韓)となっています。
2位雪印メグミルクの最も引用された特許は、「高甘味度甘味料の苦味低減又は除去剤(特願平11-83966)」で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この12件のうち11件はTHE COCA-COLA(米)による出願となっています。
2013年に引用された雪印メグミルクの200件の特許を分野別にみると、栄養改善を目的とした「食品」「非アルコール性飲料」が多くなっています。
3位日本たばこ産業の最も引用された特許は、「CETP活性阻害剤として有効な化合物(特願平10-26688)」で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この5件はいずれもF. HOFFMANN LA ROCHE(スイス)による出願となっています。
2013年に、日本たばこ産業の特許によって影響を受けた件数が多い企業のうち、PHILIP MORRIS(米)やBRITISH AMERICAN TOBACCO(英)などの、たばこ関連メーカー以外には、富士電機、武田薬品工業、MERCK PATENT(独)が挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2013年12月までに公開されたすべての公報のうち、2013年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された公報を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2014年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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