弊社はこのほど、独自に分類した繊維・紙・パルプ業界の企業を対象に、2013年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2013」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において各社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2013年に最も引用された企業は、東レの2,543件、次いで東洋紡の947件、三菱レイヨンの840件となりました。
【繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2013 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東レ | 2,543 | |
東洋紡 | 947 | |
三菱レイヨン | 840 | |
クラレ | 742 | |
王子ホールディングス | 687 | |
帝人 | 649 | |
三菱製紙 | 462 | |
3M | 437 | |
ユニチカ | 437 | |
大王製紙 | 309 | |
1位東レの最も引用された特許は、「樹脂組成物ならびにそれからなる成形品(特願2005-157433)」で、後発の特許18件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この18件はいずれも富士フイルムの出願となっています。
2013年に引用された東レの2,543件の特許を分野別にみると「ポリエステル組成物」や「フィルム」などの技術がみられます。
2位東洋紡の最も引用された特許は、「光学用易接着性ポリエステルフィルム及び光学用積層ポリエステルフィルム(特願2008-295508)」および「電子写真用トナー(特願平3-306853)」で、前者は三菱樹脂の特許8件、後者は花王の特許8件の審査過程でそれぞれ拒絶理由として引用されています。
2013年に、東洋紡の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱樹脂、次いで東レ、ユニチカとなっています。
3位三菱レイヨンの最も引用された特許は、「面光源装置(特願2005-176449)」で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2013年に、三菱レイヨンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は東レ、次いで住友化学、旭化成ケミカルズとなっています。
日本特許庁に特許出願され、2013年12月までに公開されたすべての公報のうち、2013年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された公報を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2014年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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