弊社はこのほど、独自に分類した窯業業界の企業を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「窯業業界 他社牽制力ランキング2015」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2015年に最も引用された企業は、旭硝子の926件、次いでTOTOの602件、日本ガイシの541件となりました。
【窯業業界 他社牽制力ランキング2015 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
旭硝子 | 926 | |
TOTO | 602 | |
日本ガイシ | 541 | |
日本特殊陶業 | 483 | |
LIXIL | 374 | |
日本板硝子 | 362 | |
太平洋セメント | 248 | |
日本電気硝子 | 242 | |
CORNING | 240 | |
住友大阪セメント | 223 | |
1位旭硝子の最も引用された特許は、「有機LED素子」に関する特許(特許第5742838号)で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはLG CHEM(韓)の9件、大日本印刷の1件となっています。このほかには「太陽電池モジュール用バックシート」に関する特許(特許第5348134号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、旭硝子の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は日本電気硝子の52件、次いでCorning(米)の31件、Saint-Gobain Glass Franceの23件と続いています。
2位TOTOの引用された件数の最も多い特許には、「給湯装置」(特願2002-083968)で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には矢崎エナジーシステムの3件、東京ガス、東邦ガスの各1件となっています。このほかには「便座の自動開閉」に関する特許(特願2003-411629)や「携帯端末による温水洗浄便座などの操作」に関する特許(特願2000-274932)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、TOTOの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニックおよびLIXILの各58件、次いで三菱電機の16件となっています。
3位日本ガイシの最も引用された特許は、「窒化物単結晶の育成方法」(特許第5044311号)が挙げられ、後発の特許8件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この8件は全てリコーの特許となっています(内1件は大阪大学との共同出願)。このほかには「(DPFで使用される)フィルターエレメントの製造方法」(特許第4471452号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、日本ガイシの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車、デンソー、住友化学の各19件となっています。
日本特許庁に特許出願され、2015年12月までに公開されたすべての特許のうち、2015年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2016年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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