弊社はこのほど、独自に分類したゼネコン業界の企業を対象に、2016年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2016」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2016年に最も引用された企業は、清水建設、次いで大成建設、鹿島建設となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2016 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 483 | |
大成建設 | 342 | |
鹿島建設 | 323 | |
大林組 | 303 | |
竹中工務店 | 301 | |
フジタ | 131 | |
熊谷組 | 91 | |
前田建設工業 | 91 | |
三井住友建設 | 86 | |
安藤ハザマ | 81 | |
1位清水建設の最も引用された特許は、「汚染土壌の洗浄方法」に関する特許(特願2004-305570)および「窓際から室奥まで均一に自然光を届かせることのできるブラインド」に関する特許(特許第3700098号)で、それぞれ後発の特許5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほかには、サンケン電気との共同保有である「停電時に電力供給を重要負荷(※)に継続して行うための自立運転制御システム」(特許第5437707号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2016年に、清水建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、大林組(42件)で、大成建設および竹中工務店(各27件)と続いています。
(※)サーバーや病院電気設備、室内照明などの、給電が途絶えると混乱や被害を招く恐れのある装置
2位大成建設の最も引用された特許は42件あり、それぞれ後発の特許2件の審査過程において拒絶理由として引用されています。この42件を分野別にみると、基礎工や施工、建築構造・部材などの技術が多くなっています。
2016年に、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大林組(21件)で、清水建設(22件)、鹿島建設(20件)と続いており、ゼネコンやハウスメーカー以外には東芝(10件)などがみられます。
3位鹿島建設の最も引用された特許のうち、現在権利が継続している特許は、アルモ設計および新晃工業との共同保有である「データセンターの空調システム」に関する特許(特許第5441212号)および「耐震性能を高めるための補強構造」に関する特許(特許第2988470号)で、それぞれ後発の特許3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2016年に、鹿島建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大成建設(24件)で、大林組(23件)、竹中工務店(15件)と続いています。
日本特許庁に特許出願され、2016年12月までに公開されたすべての特許のうち、2016年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2017年4月21日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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