株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した石油・エネルギー業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、出光興産、次いで大阪ガス、東京ガスとなりました。
【石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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出光興産 | 642 | |
大阪ガス | 591 | |
東京ガス | 380 | |
JXTGエネルギー | 375 | |
中国電力 | 360 | |
東京電力ホールディングス | 338 | |
関西電力 | 269 | |
中部電力 | 135 | |
EXXONMOBIL | 103 | |
東邦ガス | 83 | |
1位出光興産の最も引用された特許は、「薄膜トランジスタ」に関する特許(特願2008-198214;取り下げにより特許権なし)で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には半導体エネルギー研究所の12件、神戸製鋼所の1件となっています。現在権利が継続している特許に着目すると、引用された数の多い特許には「有機EL素子」に関する特許(特許第5903271号や、特許第5429673号)が挙げられ、SAMSUNG DISPLAY(韓)が最も多く影響を受けています。
2017年に、出光興産の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、半導体エネルギー研究所(124件)、次いで、SAMSUNG DISPLAY(韓)(23件)、JXTGエネルギー(15件)となっています。
2位大阪ガスの最も引用された特許は、産業技術総合研究所、奈良県、日本軽金属との共同保有である「園芸用施設への二酸化炭素供給」に関する特許(特許第5578469号)で、本田技研工業による後発の特許4件などの審査過程で拒絶理由として引用されています。
2017年に、大阪ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、パナソニック(30件)、次いで、三菱電機(19件)、東京ガス(17件)となっています。
3位東京ガスの最も引用された特許は、正興電機製作所との共同保有である「電力供給システム」に関する特許(特許第5268973号)で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはパナソニックの3件、大阪ガスの2件、NTTファシリティーズ、三社電機製作所、京セラ、シャープ、三菱電機の各1件となっています。
2017年に、東京ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、パナソニック(26件)、次いで、大阪ガス(23件)、三菱電機(12件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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