株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した石油・エネルギー業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された企業は出光興産、次いで大阪ガス、中国電力となりました。
【石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
出光興産 | 568 | |
大阪ガス | 567 | |
中国電力 | 413 | |
JXTGエネルギー | 368 | |
東京ガス | 358 | |
東京電力ホールディングス | 285 | |
関西電力 | 232 | |
中部電力 | 129 | |
東邦ガス | 88 | |
EXXONMOBIL | 88 | |
1位 出光興産の最も引用された特許は、「酸化物半導体を用いた電界効果型トランジスタ及びその製造方法」に関する特許(特願2009-545426;拒絶査定により特許権なし)で、全てが半導体エネルギー研究所の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「薄膜トランジスタ」に関する特許(特願2009-532177)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に出光興産の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、半導体エネルギー研究所(94件)、次いで、LG CHEM(韓)(16件)、JXTGエネルギー(11件)となっています。
2位 大阪ガスの最も引用された特許は、「ペロブスカイト系光電変換装置」に関する特許(特許第6128900号)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「固体酸化物形燃料電池システム」に関する特許(特許第4820580号)や「輝炎バーナ」に関する特許(特許第4139794号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に大阪ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、パナソニック(29件)、次いで、三菱電機(20件)、東京ガス(14件)となっています。
3位 中国電力の最も引用された特許は、「複数台の急速充電器及び普通充電器に対応する充電制御装置」に関する特許(特許第5358696号)や「監視装置、監視システム、プログラム」に関する特許(特許第5431560号)など全7件で、それぞれ後発の特許3件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2018年に中国電力の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、東芝(17件)と三菱電機(17件)、次いで、パナソニック(14件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2018年12月までに公開されたすべての特許のうち、2018年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2019年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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