株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類したゼネコン業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された企業は、清水建設、次いで大林組、鹿島建設となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 527 | |
大林組 | 389 | |
鹿島建設 | 356 | |
大成建設 | 315 | |
竹中工務店 | 294 | |
フジタ | 136 | |
熊谷組 | 99 | |
戸田建設 | 93 | |
三井住友建設 | 87 | |
前田建設工業 | 82 | |
1位清水建設の最も引用された特許のうち、現在権利が継続している特許は、「造成工事における重機の施工ナビゲーションシステム」(特許第3787812号)で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほかには「室内のどこに居ても電気機器を迅速に操作可能な仮想スイッチ、それを用いた家電制御システムおよび家電制御方法」(特願2008-065706)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、清水建設の特許によって影響を受けた企業は、竹中工務店(44件)および大成建設(44件)、次いで鹿島建設(23件)と続いています。
2位大林組の最も引用された特許は、「建造物の詳細な変位状況や変位の総量を精度よく計測することが可能な変位計測装置」(特許第6170655号)で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほかには「トンネル支保材の連結構造」(特許第3487184号;年金未納による失効のため特許権なし)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、大林組の特許によって影響を受けた企業は、大成建設(27件)、次いで、清水建設(24件)、竹中工務店(23件)と続いています。
3位鹿島建設の最も引用された特許は、「手術室に用いられる空調システム」(特許第6017118号)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「直射日光の遮光及び反射光の取り込みが最適に行える昼光利用システム」(特許第3281330号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、鹿島建設の特許によって影響を受けた企業は、大成建設(26件)、次いで、竹中工務店(23件)、清水建設(19件)と続いています。
日本特許庁に特許出願され、2018年12月までに公開されたすべての特許のうち、2018年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2019年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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