株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した機械・造船業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「機械・造船業界 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された企業は、三菱重工業、次いでダイキン工業、豊田自動織機となりました。
【機械・造船業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
三菱重工業 | 1,961 | |
ダイキン工業 | 1,258 | |
豊田自動織機 | 826 | |
クボタ | 751 | |
IHI | 750 | |
村田機械 | 514 | |
川崎重工業 | 505 | |
コマツ | 505 | |
ヤンマー | 461 | |
日立建機 | 458 | |
1位三菱重工業の最も引用された特許は、「ヒートシンクを有する機器」(特許第6134127号)や「車両及び車両のエンジン始動方法」に関する特許(特願2010-259514;拒絶査定により特許権なし)で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。そのほか、「繊維強化複合材の製造方法、及び繊維強化複合材の製造装置」(特許第5557997号)や「超音波探査方法および装置、超音波解析装置」(特願2000-327707)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、三菱重工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、三菱日立パワーシステムズ(65件)、次いで、GENERAL ELECTRIC(63件)、デンソー(53件)となっています。
2位ダイキン工業の最も引用された特許は、昨年に続いて「フルオロブテンからなる発泡剤およびプラスチック発泡体の製造方法」(特願1991-301995)で、後発の特許6件の拒絶理由として引用されています。そのほか、「フルオロポリマー非水系分散液」(特許第5459037号)や「冷凍装置」(特許第5304531号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、ダイキン工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(153件)、次いで、日立ジョンソンコントロールズ空調(69件)とパナソニック(69件)と続いています。
3位豊田自動織機の最も引用された特許は、「冷凍機用潤滑油組成物及びこれを用いた圧縮機」(特許第5363980号)で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。そのほかには「固体電解質及び二次電池」(特許第5447578号)や「コイルを利用した受動素子及びその製造方法」(特許第5782017号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、豊田自動織機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(53件)、次いで、トヨタ自動車(49件)、本田技研工業(21件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2018年12月までに公開されたすべての特許のうち、2018年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2019年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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