株式会社パテント・リザルトはこのほど、大学・研究機関を対象に、2019年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を機関別に集計した「大学・研究機関 他社牽制力ランキング2019」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な機関が明らかになります。
集計の結果、2019年に最も引用された機関は、産業技術総合研究所(産総研)、次いで科学技術振興機構(JST)、東京大学となりました。
【大学・研究機関 他社牽制力ランキング2019 上位10機関】
順位 | 機関名 | 引用された 特許数 |
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産業技術総合研究所 | 938 | |
科学技術振興機構 | 406 | |
東京大学 | 330 | |
東北大学 | 266 | |
京都大学 | 237 | |
東京工業大学 | 225 | |
大阪大学 | 220 | |
UNIVERSITY OF CALIFORNIA | 195 | |
鉄道総合技術研究所 | 178 | |
九州大学 | 174 | |
1位 産業技術総合研究所の最も引用された特許は「直動伸縮アーム機構および当該直動伸縮アーム機構を備えたロボットアーム」に関する技術で、計10件の審査過程で引用されています。このほかには「コーティング組成物」に関する技術などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2019年に産業技術総合研究所の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、東芝(18件)、次いでデンソー、富士電機(いずれも14件)となっています。
2位 科学技術振興機構の最も引用された特許は、大阪大学と共同出願した「ダチョウを用いた抗体、及びその作製方法」に関する技術で、オーストリッチファーマの5件の審査過程において引用されています。このほかには「薄膜トランジスタ及びその製造方法」に関する技術や「ホモロガス薄膜を活性層として用いる透明薄膜電界効果型トランジスタ」に関する技術などが、引用された件数の多い特許として挙げられます。
2019年に科学技術振興機構の特許によって影響を受けた件数が最も多い機関・企業は、京都大学(13件)、次いで産業技術総合研究所(10件)、東京大学(8件)となっています。
3位 東京大学の最も引用された特許は「運転支援装置」に関する技術で、デンソーの「操舵支援装置」「運転支援システム」関連特許など、計5件の審査過程において引用されています。
2019年に東京大学の特許によって影響を受けた件数が最も多い機関・企業は、三菱電機で、NTT、ニコン(いずれも8件)、東芝(7件)と続いています。
4位 東北大学は「マルチモードファイバの測定装置」に関する技術、5位 京都大学は「体細胞の核初期化因子」に関する技術が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2019年12月までに公開されたすべての特許のうち、2019年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2020年5月29日時点で権利を保有している機関の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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