弊社はこのほど「電気機器業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、パナソニック、次いで東芝、三菱電機となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
パナソニック | 12,195 | |
東芝 | 6,389 | |
三菱電機 | 6,055 | |
日立製作所 | 5,591 | |
ソニーグループ | 4,747 | |
シャープ | 4,550 | |
富士通 | 3,394 | |
NEC | 3,034 | |
三洋電機 | 2,302 | |
京セラ | 1,830 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
2位 東芝の最も引用された特許は「投影した画像の形状の歪みを抑え、また適正な大きさの画像を投影できる画像処理装置」に関する技術で、ユニバーサルエンターテインメントの計12件の審査過程で引用されています。このほかには「発光効率が高く、発熱が低減された半導体発光素子」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ディスコの計8件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、東芝の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、三菱電機(202件)、次いでパナソニック(162件)、キヤノン(139件)となっています。
3位 三菱電機の最も引用された特許は「小形軽量に構成でき、台車が不要で、使用上の便利さを向上した移動式空気調和装置」に関する技術で、ダイキン工業の「メンテナンスが容易な屋外空気調和装置」関連特許など計8件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2020年に、三菱電機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、パナソニック(327件)、次いでダイキン工業(176件)、東芝(165件)となっています。
そのほか、4位 日立製作所は「映像、音声などのデジタル情報を媒体へ記録することに関し、制限を与えた情報受信装置」、5位 ソニーグループは「半導体イメージセンサ・モジュール及びその製造方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2020年12月までに公開されたすべての特許のうち、2020年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2021年5月1日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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