弊社はこのほど「ゴム製品業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、ブリヂストン、次いで住友ゴム工業、横浜ゴムとなりました。
【ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ブリヂストン | 907 | |
住友ゴム工業 | 552 | |
横浜ゴム | 547 | |
住友理工 | 254 | |
TOYO TIRE | 223 | |
バンドー化学 | 108 | |
MICHELIN | 100 | |
ニッタ | 87 | |
三ツ星ベルト | 70 | |
THE GOODYEAR TIRE & RUBBER | 48 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
2位 住友ゴム工業の最も引用された特許は「低燃費、ウェットグリップ、耐摩耗及び操縦安定性をバランス良く改善するゴム組成物」に関する技術で、ブリヂストンなどの計8件の審査過程で引用されています。このほかには「良好な耐摩耗性及び破断伸びも得られるトレッド用ゴム組成物」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、TOYO TIREの5件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、ブリヂストン(79件)、次いで横浜ゴム(60件)、TOYO TIRE(48件)となっています。
3位 横浜ゴムの最も引用された特許は「ウェットグリップ性能、剛性および耐摩耗性に優れたタイヤ用ゴム組成物」に関する技術で、住友ゴム工業などの計9件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2020年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、住友ゴム工業(105件)、次いでブリヂストン(74件)、TOYO TIRE(47件)となっています。
そのほか、4位 住友理工は「伸縮を繰り返しても、配線が切断されにくい配線体接続構造体」、5位 TOYO TIREは「耐空気透過性と耐屈曲疲労性とがバランス良く向上したインナーライナーが得られるゴム組成物」が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2020年12月までに公開されたすべての特許のうち、2020年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2021年5月1日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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