弊社はこのほど「半導体製造装置業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「半導体製造装置業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、東京エレクトロン、次いでSCREENホールディングス、APPLIED MATERIALSとなりました。
【半導体製造装置業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東京エレクトロン | 843 | |
SCREENホールディングス | 425 | |
APPLIED MATERIALS | 236 | |
ディスコ | 186 | |
アルバック | 175 | |
芝浦メカトロニクス | 124 | |
東京精密 | 123 | |
キヤノンアネルバ | 99 | |
アドバンテスト | 92 | |
ASML NETHERLANDS | 90 | |
1位 東京エレクトロンの最も引用された特許は「故障原因を容易に、高精度に特定する処理装置の異常診断システム」に関する技術で、日立パワーソリューションズの「異常検知装置」など計4件の審査過程で引用されています。このほかには「載置台上にある被処理体の位置ズレと横滑りの抑制・防止」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日信イオン機器などの計3件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、東京エレクトロンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はSCREENホールディングス(101件)、次いでAPPLIED MATERIALS(90件)、KOKUSAI ELECTRIC(42件)となっています。
2位 SCREENホールディングスの最も引用された特許は「基板上のシリコン窒化膜を選択的にエッチングする処理を正確に行う基板処理装置」に関する技術で、東京エレクトロンなどの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「簡易な構成で、反った基板であっても確実に保持できる技術」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ディスコなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、SCREENホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、東京エレクトロン(51件)、次いで荏原(18件)、リコー(13件)となっています。
3位 APPLIED MATERIALSの最も引用された特許は「光励起堆積プロセス中にシリコン含有材料を形成する方法」に関する技術で、KOKUSAI ELECTRICの「基板上のSiO CN膜の質向上」関連など計2件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2020年に、APPLIED MATERIALSの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、LAM RESEARCH(20件)、次いで東京エレクトロン(19件)、アルバック(9件)となっています。
そのほか、4位 ディスコは「ポリッシング機能とゲッタリング層形成機能を兼ね備えた研磨パッド」、5位 アルバックは「有機EL素子保護膜の封止性能を向上する技術」が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2020年12月までに公開されたすべての特許のうち、2020年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2021年5月1日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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