弊社はこのほど「精密機器業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「精密機器業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、キヤノン、次いでセイコーエプソン、リコーとなりました。
【精密機器業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
キヤノン | 6,665 | |
セイコーエプソン | 4,358 | |
リコー | 3,944 | |
コニカミノルタ | 2,949 | |
大日本印刷 | 2,444 | |
オリンパス | 2,296 | |
富士フイルムビジネスイノベーション | 2,003 | |
凸版印刷 | 1,503 | |
ニコン | 1,432 | |
京セラドキュメントソリューションズ | 812 | |
1位 キヤノンの最も引用された特許は「シート搬送装置を備える画像形成装置」に関する技術で、コニカミノルタとリコーの計11件の審査過程で引用されています。このほかには「酸化物膜をチャネルに用いた電界効果型トランジスタ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、半導体エネルギー研究所などの計10件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、キヤノンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はコニカミノルタ(503件)で、次いでリコー(384件)となっています。
2位 セイコーエプソンの最も引用された特許は「回路構成を変更せずにチューナ部を増設でき、ICカードへのアクセスが速やか且つ的確なデジタル放送受信システム」に関する技術で、TVS REGZAの計14件の審査過程で引用されています。このほか「基材の分割方法、液滴吐出ヘッドの製造方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ディスコなどの計10件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、セイコーエプソンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、セイコーエプソンの特許による影響を受けた件数が最も多い企業はリコー(216件)で、次いでキヤノン(184件)となっています。
3位 リコーの最も引用された特許は「機会を用いた農作業において、効率的に農作物データを収集し、肥料・種・水などを散布するシステム」に関する技術で、クボタなどの計7件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、リコーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、コニカミノルタ(386件)で、次いでキヤノン(382件)となっています。
そのほか、4位 コニカミノルタは「色収差を良好に補正し、温度変化によるフォーカス位置のずれを抑えた高画質である光学系及びそれを備えた画像投影装置及び撮像装置」、5位 大日本印刷は「照明の存在下にある場合や導電性粒子を用いた場合において、 着色の問題を生じず、かつ帯電防止性に優れた反射防止フィルム及びディスプレイ」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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