弊社はこのほど「自動車部品業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、デンソー、次いでアイシン、日立ASTEMOとなりました。
【自動車部品業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
デンソー | 5,295 | |
アイシン | 1,731 | |
日立ASTEMO | 1,370 | |
住友電装 | 1,125 | |
矢崎総業 | 922 | |
ジェイテクト | 720 | |
SOKEN | 449 | |
豊田合成 | 427 | |
ROBERT BOSCH | 388 | |
小糸製作所 | 375 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 デンソーの最も引用された特許は「駐車場において自動走行機能を有する車両を管理する車両管理システム」に関する技術で、本田技研工業やIHI運搬機械などの計8件の審査過程で引用されています。このほかには「自動運転のための交通制御システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、トヨタ自動車などの計7件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(520件)、次いで本田技研工業(289件)となっています。
2位 アイシンの最も引用された特許は、昨年と同様に「トランスミッション周囲の空間の広狭に関わらず搭載できる安価な電動オイルポンプ」に関する技術で、ニデックパワートレインシステムズの計6件の審査過程で引用されています。このほか「対象車両の位置に基づいて飛行する無人飛行体の制御システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ナイルワークスなどの計5件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、アイシンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(189件)、次いで本田技研工業(115件)です。
3位 日立ASTEMOの最も引用された特許は「自律運転制御装置、自律移動車及び自律移動車制御システム」に関する技術で、本田技研工業など計9件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、日立ASTEMOの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(171件)、次いでトヨタ自動車(132件)となっています。
そのほか、4位 住友電装は「車載更新装置及び車載更新システム」、5位 矢崎総業は「プリント配線基板及びプリント配線基板の製造方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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