弊社はこのほど「ゲーム・エンターテインメント業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゲーム・エンターテインメント業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、コナミデジタルエンタテインメント、次いでバンダイナムコエンターテインメント、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下表記SIE)となりました。
【ゲーム・エンターテインメント業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
コナミデジタルエンタテインメント | 343 | |
バンダイナムコエンターテインメント | 325 | |
ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 236 | |
セガ | 206 | |
任天堂 | 180 | |
コロプラ | 143 | |
スクウェア・エニックス・ホールディングス | 104 | |
ディー・エヌ・エー | 97 | |
グリー | 81 | |
カプコン | 77 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 コナミデジタルエンタテインメントの最も引用された特許は「イベント発生用キャラクタ等のゲームオブジェクトが固定化されるのを防ぐゲームシステム」に関する技術で、CYGAMESやカプコンの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「シンボルの実像および反射虚像を複数の観察窓で提供する遊技機」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、三洋物産の計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、コナミデジタルエンタテインメントの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はカプコン(30件)、次いでバンダイナムコエンターテインメント(23件)、コロプラ(21件)となっています。
2位 バンダイナムコエンターテインメントの最も引用された特許は「アバターキャラクタに基づく仮想3次元空間の画像を生成させるためのプログラム」に関する技術で、コロプラなどの計7件の審査過程で引用されています。このほか「他のプレーヤとの関係構築をゲーム要素に組み込んだゲームシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、コロプラの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、バンダイナムコエンターテインメントの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はグリー(35件)、次いでカプコン(31件)です。
3位 SIEの最も引用された特許は「視聴者の興味に適合するテレビCMを挿入できるようにした放送番組処理装置」に関する技術で、TVS REGZAやヤフーなどの計7件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、SIEの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、キヤノン(11件)、次いでソニーグループ(10件)となっています。
そのほか、4位 セガは「ネットワークゲームにおける代理プレイを活性化する情報処理装置」、5位 任天堂は「ユーザの健康情報を測定するための情報処理システム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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