弊社はこのほど「ハウスメーカー業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、ミサワホーム、次いで大和ハウス工業、積水ハウスとなりました。
【ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ミサワホーム | 201 | |
大和ハウス工業 | 194 | |
積水ハウス | 182 | |
トヨタホーム | 134 | |
旭化成ホームズ | 104 | |
住友林業 | 84 | |
パナソニックホームズ | 73 | |
三井ホーム | 22 | |
サンヨーホームズ | 5 | |
住友林業ホームテック | 2 | |
1位 ミサワホームの最も引用された特許は「電力、ガスなどのエネルギー消費を抑制する省エネルギーと共に、建物内の居住環境化の最適化及び環境負荷の軽減を図る住環境管理ステム」に関する技術で、三菱電機やキヤノンマーケティングジャパンなどの計3件の審査過程で引用されています。このほかには「宅配ボックスおよび建物」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、旭化成ホームズなどの計2件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、ミサワホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタホーム(15件)、次いで積水ハウス(14件)、積水化学工業(12件)となっています。
2位 大和ハウス工業の最も引用された特許は「内部に物品を収容可能な宅配ボックスの開閉を制御するための宅配ボックスシステム」に関する技術で、京セラなどの計4件の審査過程で引用されています。このほか「衣類など薄物等の被処理物を処理する処理装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、SCREENホールディングスなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、大和ハウス工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は積水ハウス(17件)、次いで旭化成ホームズ、パナソニックHD(いずれも8件)です。
3位 積水ハウスの最も引用された特許は「睡眠環境調整システム及び睡眠環境調整方法」に関する技術で、ライフパッチインターナショナルなど計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、積水ハウスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、大和ハウス工業、トヨタホーム、旭化成ホームズ(いずれも13件)となっています。
そのほか、4位 トヨタホームは「災害時給電システム」、5位 旭化成ホームズは「構面補強構造及び構面の補強方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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