弊社はこのほど「自動車メーカー業界」を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2023年に最も引用された企業は、トヨタ自動車、次いで本田技研工業、日産自動車となりました。
【自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2023 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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トヨタ自動車 | 6,866 | |
本田技研工業 | 3,024 | |
日産自動車 | 2,587 | |
マツダ | 876 | |
豊田中央研究所 | 733 | |
SUBARU | 623 | |
三菱自動車工業 | 609 | |
ヤマハ発動機 | 542 | |
スズキ | 498 | |
ダイハツ工業 | 330 | |
1位 トヨタ自動車の最も引用された特許は「硫化物固体電解質の製造方法」に関する技術で、古河機械金属などの計8件の審査過程で引用されています。このほかには「共鳴法によってワイヤレスで充電電力を供給し、電動車両の蓄電装置を充電する車両用給電装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ブリヂストンなどの計8件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は本田技研工業(382件)、次いでデンソー(280件)となっています。
2位 本田技研工業の最も引用された特許は「後続車両の急接近に対して、予め設定された車線を考慮し自動で回避行動をとることができる車両制御装置」に関する技術で、デンソーテンなどの計8件の審査過程で引用されています。このほか「様々な上部構造物との組み合わせが可能な自動運転車両」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日野自動車などの計7件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(328件)、次いでデンソー(116件)です。
3位 日産自動車の最も引用された特許は「移動する受電コイルに対して非接触で給電する際の給電効率を高めた非接触給電装置」に関する技術で、デンソーなど計6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2023年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(287件)、次いで本田技研工業(160件)となっています。
そのほか、4位 マツダは「車両の補機搭載構造」、5位 豊田中央研究所は「永久磁石およびその製造方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2023年12月までに公開された全特許のうち、2023年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2024年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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