弊社はこのほど「食品業界」を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2023年に最も引用された企業は、PHILIP MORRIS PRODUCTS(米)、次いで味の素、キリンホールディングスとなりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2023 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
PHILIP MORRIS PRODUCTS(米) | 366 | |
味の素 | 337 | |
キリンホールディングス | 272 | |
日本たばこ産業 | 233 | |
アサヒグループホールディングス | 176 | |
サントリーホールディングス | 167 | |
日清製粉グループ本社 | 157 | |
NESTLE(スイス) | 139 | |
明治 | 118 | |
不二製油グループ本社 | 113 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 PHILIP MORRIS PRODUCTSの最も引用された特許は「喫煙物品の誘導加熱システム」に関する技術で、NICOVENTURES TRADING(英)や日本たばこ産業などの計10件の審査過程で引用されています。このほかには「複数材料のサセプタでエアロゾル形成基質を誘導加熱するエアロゾル発生物品」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、NICOVENTURES TRADINGなどの計9件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、PHILIP MORRIS PRODUCTSの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNICOVENTURES TRADING(143件)、次いで日本たばこ産業(88件)となっています。
2位 味の素の特許の中で、「酵素を用いた湯種パンの製造方法」に関する技術は、日油や日清製粉グループ本社など計3件の審査過程で引用されています。このほか「ウリ科植物病害抵抗性増強剤」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、レゾナックの計3件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はレゾナック(27件)、次いで住友ベークライト(10件)です。
3位 キリンホールディングスの最も引用された特許は「プリン体化合物を低減化した発酵麦芽飲料」に関する技術で、サントリーホールディングスなど計6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2023年に、キリンホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はサントリーホールディングス(35件)、次いでアサヒグループホールディングス(22件)となっています。
そのほか、4位 日本たばこ産業は「エアロゾル生成装置のエアロゾル搬送アダプタ」、5位 アサヒグループホールディングスは「非甘味性飲料」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2023年12月までに公開された全特許のうち、2023年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2024年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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