弊社はこのほど「繊維・紙・パルプ業界」を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2023年に最も引用された企業は、東レ、次いで東洋紡、王子ホールディングスとなりました。
【繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2023 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東レ | 1,474 | |
東洋紡 | 568 | |
王子ホールディングス | 437 | |
帝人 | 398 | |
大王製紙 | 313 | |
ユニチカ | 272 | |
日本製紙 | 178 | |
三菱製紙 | 153 | |
3M(米) | 145 | |
グンゼ | 130 | |
1位 東レの最も引用された特許は「圧電性に優れた圧縮性ポリオレフィンフィルム」に関する技術で、三菱ケミカルの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「コンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、東洋紡の計4件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、東レの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(54件)、次いで東洋紡、富士フイルム(いずれも40件)となっています。
2位 東洋紡の最も引用された特許は「膜分離技術を用いて低エネルギーでブラインを濃縮する、海水淡水化処理用のブラインの処理方法」に関する技術で、東洋紡エムシーの計6件の審査過程で引用されています。このほか「ポリエステル包装材料」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、大日本印刷の計5件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、東洋紡の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は東洋紡エムシー(60件)、次いで三菱ケミカル(29件)です。
3位 王子ホールディングスの最も引用された特許は「エッチング耐性に優れたパターン形成用材料」に関する技術で、キオクシアなど計3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2023年に、王子ホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大王製紙(31件)、次いで日本製紙クレシア(25件)となっています。
そのほか、4位 帝人は「非水系二次電池用セパレータ」、5位 大王製紙は「防湿紙を用いた包装用紙」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2023年12月までに公開された全特許のうち、2023年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2024年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2023 ご提供データ
1)ランキングトップ50社
繊維・紙・パルプ業界の被引用件数上位50社のランキング
2)被引用件数上位100件のリスト
繊維・紙・パルプ業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
価格:50,000円(税抜)
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。