弊社はこのほど「繊維・紙・パルプ業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、東レ、次いで東洋紡、王子ホールディングスとなりました。
【繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東レ | 1,268 | |
東洋紡 | 483 | |
王子ホールディングス | 397 | |
帝人 | 345 | |
大王製紙 | 308 | |
ユニチカ | 235 | |
日本製紙 | 179 | |
三菱製紙 | 136 | |
レンゴー | 113 | |
グンゼ | 112 | |
1位 東レの最も引用された特許は「シリコーン密着性に優れた離型用二軸配向ポリエステルフィルム」に関する技術で、東洋紡など計5件の審査過程で引用されています。このほかには「柔軟で耐熱性に優れた高性能ポリオレフィン系発泡体」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日東電工などの計4件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、東レの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(46件)、次いで大日本印刷(27件)となっています。
2位 東洋紡の最も引用された特許は「吸湿/吸水発熱性を発現するおむつ」に関する技術で、オルガノやユニ・チャームの計9件の審査過程で引用されています。このほか東洋クロスと共同保有の「機能層を有する基材フィルムから機能層を短時間で効率的に除去する方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、三菱ケミカルなど計5件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、東洋紡の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(28件)、次いで東レ(22件)です。
3位 王子ホールディングスの最も引用された特許は「優れた成形性と高い生産性を持つ、パルプを主成分とする紙製絞り成形容器」に関する技術で、TOPPANホールディングスなど計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、王子ホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大王製紙(34件)、次いで日本製紙(28件)となっています。
そのほか、4位 帝人は「高容量かつ実用的な負荷特性を兼ね備えたリチウム二次電池用正極活物質」、5位 大王製紙は「防水性を有するヒートシール包装体」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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