弊社はこのほど、米国における燃料電池分野について、参入企業の競争力に関する調査を行いました。燃料電池は、ハイブリッド自動車をはじめとする車載用や、携帯機器向けなど、さまざまな用途で需要が高まっていますが、今回の調査では、あらゆる用途を含めて評価しています。
1980年から2011年5月末までに米国特許商標庁で公開された燃料電池関連の特許を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」による評価を実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング(※)」を集計しました。
集計の結果、1位 GENERAL MOTORS、2位 本田技研工業、3位 アメリカ合衆国エネルギー省となりました。また、4位トヨタ自動車、5位パナソニックとなっており、日本企業が上位5社中に3社ランクインし、強さが目立つ結果となりました。
【燃料電池関連技術 米国特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
GENERAL MOTORS | 2,522.2 pt | 799 | 77.1 pt | |
本田技研工業 | 2,474.0 pt | 770 | 90.6 pt | |
アメリカ合衆国エネルギー省 | 1,898.8 pt | 377 | 89.6 pt | |
トヨタ自動車 | 1,790.5 pt | 810 | 78.9 pt | |
パナソニック | 1,782.3 pt | 402 | 83.2 pt |
図1:米国 燃料電池関連技術 競合状況
本田技研工業は、2000年代に入り、米国における燃料電池分野の出願を本格化しました。注目度の高い特許には、「水素漏れに対する安全管理に優れた燃料電池」や、「簡単に組み付けできる燃料電池」などに関する技術があります。
トヨタ自動車は、出願件数が最も多く、同分野に注力していることが伺えます。特に2000年代後半の伸びが著しく、2007年には年間192件もの出願がありました。注目度の高い特許には、「燃料電池用電解質膜」に関する技術や、「座席シート下の空間を有効利用した燃料電池」に関する技術などがあります。
パナソニックは、エレクトロニクス系の企業ではトップとなっています。「高分子電解質型燃料電池」や「工程数が少なく生産性が高い燃料電池」に関する技術に注目度が高い特許が見られます。
このほかの日本企業では、東芝、日産自動車、日立製作所、キヤノン、旭硝子などが上位30社以内にランクインしています。
本分析の詳細については、定型レポート「米国 燃料電池関連技術」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
1980年から2011年5月末までに公開された特許が対象。
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定型レポート 『米国 燃料電池関連技術』
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
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特許総合力ランキングデータ 『米国 燃料電池関連技術』
パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
【収録データ】
・特許総合力ランキング 上位30社リスト
・有効特許件数ランキング 上位30社リスト
・開発規模(出願件数)ランキング 上位30社リスト
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