弊社はこのほど、垂直多関節型の産業用ロボット関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめました。日本は産業用ロボットに関し、出荷・稼働ともに世界一であり、名実ともにロボット大国と言えます。その中で、垂直多関節型のロボットは産業用ロボットの中心的な存在であり、昨今では新興国の工業化に伴い、さらなる需要の拡大が期待されています(パラレルリンク型産業用ロボット、水平多関節型産業用ロボット)。
本調査では垂直多関節型産業用ロボット関連の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
その結果、「総合力ランキング(※)」では、1位 ファナック、2位 安川電機、3位 パナソニックという結果になりました。
【垂直多関節型産業用ロボット関連技術 特許総合力トップ5】
順位 | 権利者 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
ファナック | 547.0 pt | 239 | 69.8 pt | |
安川電機 | 486.9 pt | 334 | 80.6 pt | |
パナソニック | 261.0 pt | 110 | 81.5 pt | |
川崎重工業 | 232.7 pt | 118 | 68.5 pt | |
本田技研工業 | 136.3 pt | 129 | 62.9 pt | |
1位ファナックの注目度の高い特許には、「機構パラメータのキャリブレーション」に関する技術などがあります。また、2位安川電機は「アーク溶接用ロボット」、3位パナソニックは「ロボットアームの制御」などが注目度の高い特許として挙げられます。
2007年末から各年末時点におけるパテントスコアを用いた総合力の推移を見ると、安川電機、パナソニックの2社が上昇傾向にあるということが分かります(図2)。
※矢印の起点から先に向けて2007、2008、2009、2010、2011年(赤丸)の各年末時点における各社のポジションを表示
本分析の詳細については、定型レポート「垂直多関節型産業用ロボット関連技術」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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