弊社はこのほど、独自に分類した精密機器業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「精密機器業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、キヤノンの10,283件、次いでセイコーエプソンの6,076件、リコーの5,275件となりました。
【精密機器業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
キヤノン | 10,283 | |
セイコーエプソン | 6,076 | |
リコー | 5,275 | |
コニカミノルタ | 4,747 | |
富士ゼロックス | 3,356 | |
オリンパス | 3,135 | |
大日本印刷 | 2,765 | |
ニコン | 2,326 | |
凸版印刷 | 1,826 | |
東京エレクトロン | 1,074 | |
1位キヤノンの最も引用された特許は、「電界効果型トランジスタ(特許第4560502号)」で、後発の特許45件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には半導体エネルギー研究所の43件をはじめ、リコーの1件、東京応化工業と名古屋大学の共同出願1件となっています。
2014年全体で、キヤノンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はリコーの890件、次いでセイコーエプソン、コニカミノルタとなっています。
2位セイコーエプソンの最も引用された特許は、「電気光学装置の製造方法(特願第4759919号)」で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この12件はいずれも半導体エネルギー研究所の特許となっています。このほかには「画像表示装置及び遊技機(特願2008-247523)」や「電子ブックや携帯情報機器」に関する特許(特許第4542637号)が挙げられ、前者は京楽産業の特許10件、後者は富士通テンやシャープ、ローム、ソニー、Qualcommなどの特許の審査過程における拒絶理由としてそれぞれ引用されています。
3位リコーの最も引用された特許は、「広角で小型なズームレンズ」に関する特許(特許第5352990号)および、「操作パネルにWebブラウザを用いた複合機のネットワーク通信負荷軽減」に関する特許(特許第4868955号)が挙げられ、いずれも後発の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると前者はニコンの7件のほか、パナソニック、ソニーの各1件、後者はキヤノンの8件、セイコーエプソンの1件となっています。
2014年全体で、リコーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はキヤノンの513件、次いで富士ゼロックス、京セラドキュメントソリューションとなっています。
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