弊社はこのほど、独自に分類した石油・エネルギー業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、出光興産の900件、次いで大阪ガスの718件、JX日鉱日石エネルギーの532件となりました。
【石油・エネルギー業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
出光興産 | 900 | |
大阪ガス | 718 | |
JX日鉱日石エネルギー | 532 | |
東京ガス | 483 | |
東京電力 | 443 | |
中国電力 | 387 | |
関西電力 | 363 | |
中部電力 | 189 | |
東邦ガス | 142 | |
Shell International Research Maatschappij | 132 | |
1位出光興産の最も引用された特許は、「酸化物半導体膜をチャンネル層に用いた電界効果型トランジスタ」に関する特許(特願2009-545426)で、後発の特許16件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には半導体エネルギー研究所の12件をはじめ、キヤノンの2件、ソニー、Heraeus Materials Technologyの各1件の審査に影響を与えています。
2014年全体を通じて出光興産の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は半導体エネルギー研究所で、JX日鉱日石エネルギー、コニカミノルタと続いています。
2位大阪ガスの最も引用された特許のうち、現在も特許権が維持されているものは、「天候などの不確定要素を考慮しつつ電力料金の低減を図る負荷低減計画策定システム」に関する特許(特許第5276294号)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には三菱重工業や東芝、シャープ、エクォス・リサーチなどの各1件の審査に影響を与えています。
2014年全体で、大阪ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニックIPマネジメントで、東京ガス、東芝と続いています。
3位JX日鉱日石エネルギーの最も引用された特許は、「冷凍機油(特願2009-539015)」や「光学積層体(特許第4674831号)」、「エンジン油用潤滑油組成物(特許第5255220号)」など計6件が、それぞれ後発の特許各4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2014年全体を通じて、JX日鉱日石エネルギーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は出光興産で、トヨタ自動車、協同油脂と続いています。
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