弊社はこのほど、独自に分類した自動車メーカーの企業を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車メーカー 他社牽制力ランキング2015」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2015年に最も引用された企業は、トヨタ自動車の7,554件、次いで日産自動車の3,751件、本田技研工業の3,224件となりました。
【自動車メーカー 他社牽制力ランキング2015 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 7,554 | |
日産自動車 | 3,751 | |
本田技研工業 | 3,224 | |
マツダ | 1,275 | |
豊田中央研究所 | 865 | |
ヤマハ発動機 | 703 | |
スズキ | 644 | |
三菱自動車工業 | 621 | |
富士重工業 | 607 | |
ダイハツ工業 | 368 | |
1位トヨタ自動車の最も引用された特許は、3年連続で「電動車両へのワイヤレス給電」に関する特許(特許第4453741号)で、後発の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されています。企業別にみると、半導体エネルギー研究所の2件をはじめ、パナソニック、Apple、日立マクセル、東芝、ヘッズなどとなっています。このほかには、トヨタホームとの共同保有である「複数台の電気自動車やハイブリッド車に対する充電制御」(特許第4333798号)や、豊田自動織機との共同保有である「共鳴型のワイヤレス給電」(特許第5114371号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソーの488件、次いで本田技研工業の407件、日産自動車の286件と続いています。
2位日産自動車の最も引用された特許は、2年連続で「住宅と電気自動車間の電力マネジメントシステム」(特許第3985390号)で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはトヨタホームとデンソーによる共同出願3件をはじめ、パナソニック、トヨタ自動車、シャープ、清水建設などとなっています。このほかには「ハイブリッド車両の制御装置」(特許第3613273号)や「タイヤの空気圧モニター」に関する特許(特許第5182030号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車の581件となっており、本田技研工業の232件、デンソーの230件、マツダの113件と続いています。
3位本田技研工業の最も引用された特許は、「抵抗溶接方法」に関する特許(特許第5411792号)で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この13件はいずれも富士重工業の特許となっています。このほかには「携帯機器と連携した車載機器を用いてコンテンツを自動的に投稿するためのシステム」(特許第5616142号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動の425件となっており、デンソーの175件、日産自動車の92件、スズキの87件と続いています。
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