弊社はこのほど、独自に分類した機械・造船業界の企業を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「機械・造船業界 他社牽制力ランキング2015」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2015年に最も引用された企業は、三菱重工業の2,215件、次いでダイキン工業の1,238件、クボタの794件となりました。
【機械・造船業界 他社牽制力ランキング2015 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
三菱重工業 | 2,215 | |
ダイキン工業 | 1,238 | |
クボタ | 794 | |
IHI | 791 | |
豊田自動織機 | 725 | |
コマツ | 574 | |
川崎重工業 | 544 | |
村田機械 | 543 | |
荏原 | 499 | |
日立建機 | 492 | |
1位三菱重工業の最も引用された特許は、3年連続で、山形大学教授の城戸淳二氏、ロームとの共同保有となっている「有機エレクトロルミネッセント素子」(特許第3933591号)で、後発の特許11件の審査過程で拒絶理由として引用されています。企業別には半導体エネルギー研究所の7件をはじめ、NOVALED(独)、Samsung Display(韓)、LG Chem(韓)、Lumiotec(三菱重工業、ローム、凸版印刷、三井物産の合弁企業)の各1件となっています。このほかには、「DPFの再生」に関する特許(特許第5404460号)や、九州電力との共同保有となっている「蓄電システム」(特許第5529402号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、三菱重工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、三菱日立パワーシステムズの85件、次いで三菱電機の72件、IHIの62件と続いています。
2位ダイキン工業の最も引用された特許は、「プラスチック発泡体製造用の発泡剤」に関する特許(特願平3-301995)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、E.I. du Pontの5件、Honeywell Internationalの1件となっています。このほかには、「太陽電池のバックシート」(特許第5127123号)や「電力変換装置」(特願2009-290298)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、ダイキン工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機の228件、次いで、パナソニックIPマネジメントの80件、日立アプライアンスの44件と続いています。
3位クボタの最も引用された特許は、「排気処理装置付きエンジン」(特許第5616194号)で、後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。企業別にはヤンマーの6件、IHIシバウラの1件となっています。このほかには、「下水用熱交換器」に関する特許(特願2001-156930)や、「乗用型移植機」(特許第3862674号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、クボタの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はヤンマーの107件、次いで井関農機の52件、三菱農機の22件と続いています。
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