弊社はこのほど「ゼネコン業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、清水建設、次いで鹿島建設、大成建設となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 436 | |
鹿島建設 | 345 | |
大成建設 | 343 | |
大林組 | 306 | |
竹中工務店 | 298 | |
フジタ | 116 | |
熊谷組 | 97 | |
前田建設工業 | 92 | |
三井住友建設 | 88 | |
安藤ハザマ | 67 | |
1位 清水建設の最も引用された特許は「造成工事における重機の施工ナビゲーションシステム」に関する技術で、コマツの計7件の審査過程で引用されています。このほかには「火災の延焼防止及び生存者の避難誘導を効果的に行うための支援を可能とする火災時現場対応支援システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、三菱重工業の「災害区画特定装置、制御方法及びプログラム」など計4件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、清水建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は竹中工務店(37件)、次いで鹿島建設、大林組(いずれも23件)となっています。
2位 鹿島建設の最も引用された特許は「免震装置の交換方法」に関する技術で、前田建設工業などの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「既存建物の免震構造化方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、前田建設工業などの計3件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、鹿島建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、竹中工務店(26件)、次いで清水建設(22件)、大成建設(16件)となっています。
3位 大成建設の最も引用された特許は「高周波誘導加熱処理により部材を高強度化した、耐震性の高い鉄骨部材の接合部」に関する技術で、ネツレンの「鉄骨造建物及びその施工方法」関連特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2020年に、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、鹿島建設(33件)、次いで竹中工務店(27件)、大林組(19件)となっています。
そのほか、4位 大林組は「室内構造ユニット及び室内構造」、5位 竹中工務店は「施工性と施工性を向上しつつ、壁状地盤改良体で囲まれた内側領域の地盤の液状化を抑制できる基礎構造」が、最も引用された特許として挙げられます。
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